昭和57年版 通信白書

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3 テレテックス通信

テレテックス通信は,文書作成・編集機能を有する通信装置を用いる文書通信であり,ワードプロセッサに通信機能を持たせたものといえる。テレテックスは,従来からの記録通信メディアであるテレックス(加入電信)と比べ,情報の伝送速度が速いこと,使用できる文字数が多いこと,伝送する文書がページ単位であり,文書体裁が優れていることなどの情報を有しているため,事務用の新しい文書通信メディアとして注月されている。
テレテックスは,主にヨーロッパ諸国で開発が進められ,CCITTでは,1980年の総会でテレテックスの基本的な網サービス,端末及び端末プロトコルに関する勧告が行われている。西独では,1981年3月から試行運用を開始し,82年3月から商用サービスを開始した。このサービスは,回線交換データ網を用い,テレックスとの相互通信が可能となっている。このほか,英国,フランス,カナダ,スウェーデン,ノルウェー フィンランド等も近い将来のサービス開始を目指している。
我が国においては,近年の日本語処理技術の進歩により,日本語ワードプロセッサの普及が進み,これに伴い,日本語の扱いが可能なテレテックスの開発が期待されている。CCITTで標準化されたベーシックなテレテックスは,欧文を取り扱うものであるため,郵政省では,関係機関の協力を得て,我が国の通信網の実態に適合し,かつ利用者の要求に合致した日本語テレテックスの標準通信方式の検討を56年度から開始した。
テレテックスとファクシミリは,当面は各々の特徴を生かして独自の分野で利用されるが,将来は両者の融合形態が登場するものと予測される。

 

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