平成10年版 通信白書

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第1章 デジタルネットワーク社会の幕開け〜変わりゆくライフスタイル〜

第1節 情報化の動向

  2. 数値で見る家庭の情報化

(1) 指標で見る家庭の情報化
 我が国の家庭における情報化の進展を、情報を入手するための手段の多様化及び情報を入手するために支出した費用の二つの側面からとらえることとし、それぞれについて情報装備指標及び情報支出指標(注2)を作成した(第1−1−2図参照)。

ア 情報装備指標
 情報装備指標は、家庭における様々な情報通信機器の保有数と加入している情報通信ネットワークの数を指数化して、その推移を表したものである。2年度を100とした8年度の指数は161.7(対前年度比20.6ポイント増)となっており、家庭における情報装備が大きく伸びてきていることが分かる(第1−1−2図参照)。
 これを指標を構成する項目ごとに見ると、情報通信機器の保有数では、パソコン、ファクシミリ等の伸びが大きくなっており、指数は120.5(対前年度比3.9ポイント増)となっている。一方、加入している情報通信ネットワークの数では、CSデジタル放送、ケーブルテレビ、携帯・自動車電話、PHS、パソコン通信、インターネット等が増加しており、指数は202.9(同37.3ポイント増)となっている。このように、加入している情報通信ネットワークの数の大きな伸びが、情報装備指標の伸びに、より大きく寄与していることが分かる(第1−1−3図参照)。

第1−1−2図 指標で見る家庭の情報化(グラフ)
指標で見る家庭の情報化の表
第1−1−3図 情報装備指標の項目の推移(グラフ)
情報装備指標の項目の推移の表
イ 情報支出指標
 情報支出指標は、家計支出における情報通信関連支出の推移を表すものであり、情報通信機器の購入、情報通信ネットワークへの加入・継続及びパッケージ型情報ソフトの購入に係る名目支出を品目ごとの消費者物価指数で除し、指数化したものである。2年度を100とした8年度の指数は121.0(対前年度比10.6ポイント増)となっており、情報通信関連支出は大きく伸びている(第1−1−2図参照)。
 これを指標を構成する三つの項目ごとに見ると、通信機器、パソコン・ワープロが特に増加している情報通信機器では、指数は156.7(対前年度比29.9ポイント増)、電話通信料が増加している情報通信ネットワークでは、指数は123.9(同9.2ポイント増)といずれも近年増加傾向となっている。一方、パッケージ型情報ソフトでは、雑誌・週刊誌が増加しているものの、指数は93.0(同0.2ポイント減)となっており、7年度に引き続き減少傾向である(第1−1−4図参照)。

第1−1−4図 情報支出指標の項目の推移(グラフ)
情報支出指標の項目の推移の表
(2) 収入弾性値から見る家庭の情報化
 家計における収入と情報通信関連支出との関係を見るため、昭和46年から8年までの期間の家計支出各項目について、支出の収入弾性値(収入が1%増加した時の支出の増加率)の比較を行った(第1−1−5図参照)。

第1−1−5図 家計支出各項目における収入弾性値(グラフ)
 これより、家計支出各項目の中で最も収入弾性値が高いのは、情報通信関連財の3.0%であり、情報通信関連サービスが2.1%でこれに続いている。一方、新聞、雑誌・週刊誌、書籍等のいわゆるパッケージ型情報ソフトが含まれる「教養娯楽」の項目が低くなっている。以上より、今後の所得の増加に対し、情報通信関連財及び情報通信関連サービス支出は、その増加以上の伸びを見せる可能性があることが分かる。



 

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