平成10年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

第2章 平成9年情報通信の現況

第3節 情報通信サービスの動向

  1. 電気通信サービスの動向

(5) 衛星通信サービス
 衛星通信サービスは、9年度末現在、9機の通信衛星により行われており、総トランスポンダ(電波中継器)数は290本(JCSATの155本、スーパーバードの78本、N−STARの52本、アジアサットの1本、パンナムサットの4本)である。そのうち通信用で利用しているものは230本である。また、通信衛星を利用して情報の送受信を行う地球局として無線局免許を受けているのは、9年9月末現在7,480局である。

(6) インマルサット衛星通信サービス(海事衛星通信、航空衛星通信、陸上移動衛星通信)
 従来、我が国ではインマルサット衛星を利用した通信は、日本国内と船舶又は航空機間、又は船舶相互間について、KDDによりインマルサットA、B、C及びMの各システムを利用して提供されてきたが、9年10月からインマルサットB、C、M及びミニMシステムを利用した陸上移動衛星通信サービスの取扱いも開始されている。
 陸上移動通信サービスは、従来のインマルサットB、C、M端末のほかに最小・最軽量のノートブック型パソコン大(A4サイズ)に縮小されたミニM端末を用いて、デジタル方式により音声、ファクシミリ等を全世界的に提供している。

(7) ISDNサービス

ア 国内ISDNサービス
 ISDNサービスには、64kbpsの伝送速度で同時に2チャンネル利用できる基本インターフェースによるサービスと、1.5Mbpsの伝送容量で利用できる一次群速度インターフェースによるサービスとがある。ISDNサービスの普及は、従来から、企業の売上高管理等のPOSデータ通信や、テレビ会議等の映像伝送等を中心に、企業活動における高速通信向けサービスとして拡大してきた。
 ISDNサービスの回線数は、9年9月末現在、基本インターフェースが170万1,044回線(対前年同期比128.6%増)、一次群速度インターフェースが2万7,997回線(同102.9%増)と爆発的に伸びている(第2−3−26図参照)。
 この理由として、近年、インターネットやパソコン通信の利用の拡大に伴い、一般家庭においてもISDNサービスが導入されてきていることが挙げられる。これについては、電話回線に比べて伝送容量が大きいため、インターネットやパソコン通信を利用する際、高速なデータ伝送が可能であること、インターネットやパソコン通信にアクセス中であっても、その間、電話の利用が可能であることなどの利便性や、導入する際に必要となる接続装置等の価格が近年低廉化の動きにあることが要因として挙げられる。
第2-3-26図 ISDNサービス回線数及びの提供地域数の推移
ISDNサービス回線数及びの提供地域数の推移の表

イ 国際ISDNサービス
 国際ISDNサービスは、現在国際通信3社によって行われている。その総契約回線数は、8年度末現在1万647回線である。主に、国際間の企業通信でテレビ会議等に利用されることが多い。

(8) フレームリレーサービス

ア 国内フレームリレーサービス
 フレームリレーサービスは、ネットワークにおける処理を簡素化することで、従来からのパケット交換方式よりも高速のデータ伝送・交換を可能とするフレームリレー方式により、64kbpsから6Mbpsまでの通信速度に対応した、LAN間通信等に用いられるサービスである。
 フレームリレーサービスの提供は、5年1月からスターネット(株)等の第二種電気通信事業者が提供を開始しており、6年11月からNTT、JT等の第一種電気通信事業者による提供が行われている。9年度末現在、第一種電気通信事業者では12社、特別第二種電気通信事業者では15社により提供されている。
 第一種電気通信事業者が提供するフレームリレーサービスの回線数は、9年9月末現在、3万389回線である(第2−3−27図参照)。
第2-3-27図 国内フレームリレーサービス回線数
国内フレームリレーサービス回線数の表

イ 国際フレームリレーサービス
 国際フレームリレーサービスは、6年4月からKDDが提供を開始し、7年12月からIDC、8年7月からITJ(現 日本テレコム(株))の国際第一種電気通信事業者3社による提供が行われている。また、特別第二種電気通信事業者も9年度末現在、7社が提供している。

(9) ATMサービス
(注11)
ア セルリレーサービス
 ATM技術を利用したセルリレーサービスは、6Mbpsの高速データ伝送サービスであり、9年度末現在、5社の第一種電気通信事業者により提供されている。回線数は、9年12月末現在16回線である。

イ 国際ATMサービス
 国際ATMサービスについては、KDDが5年7月、AT&Tと第4太平洋横断ケーブル(TPC−4)を利用した実験を開始したが、これら実験の評価を終えてKDDにより9年4月から試験サービスが行われている。

 

(4) 専用サービス に戻る (10) インターネットサービス に進む