平成10年版 通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

第2節 高度情報通信社会の構築に向けた情報通信政策の推進

  1. 情報通信21世紀ビジョン

(5) 創造的研究開発の推進
 産学官協力の下、全光通信技術、広帯域マルチメディア移動通信技術等、ネットワークインフラ整備とアプリケーション開発・普及を支えるプロジェクトを重点的・計画的に推進するとともに、基礎・学際領域の研究開発を推進すべきである。また、国立試験研究機関等の行う研究開発に対する外部評価の実施、アジア・太平洋電気通信標準化機構(ATSI)の設立等による標準化の推進を図っていく必要がある。

(6) グローバル化の推進
 情報通信事業者間の国境を超えた連携・競争の活発化、全地球規模での情報通信基盤整備の必要性等の観点から、電気通信自由化交渉の先導等による自由化の推進、開発途上国の電話普及率の4倍増等を目標とした情報通信基盤整備の支援、国際放送大学(仮称)の設立による情報通信技術者の育成、アジア地域における情報受発信の一翼を担うための情報通信ハブの構築等を推進すべきである。

(7) 情報通信高度化への環境整備
 情報通信の高度化に伴い発生する新たな社会問題への対応として、情報通信サービスに対する苦情処理・相談体制等の充実、認証制度の確立、ガイドラインの策定や必要な法制度の検討等利用者保護のための制度の整備、暗号技術等の技術開発・標準化、公共機関を利用した情報リテラシーのかん養等の対策を講ずる。高度な情報通信社会の利活用を想定していない法制度や社会慣習の各省庁における見直しも一層強化する必要がある。
 また、すべての国民が等しく高度情報通信社会の恩恵を享受できる環境を整備する観点から、工業社会を前提として構築された現行法制度全般を見直すため、関係省庁が連携して「サイバー法」(高度情報通信社会を実現するための環境整備に関する法律)の可能性について検討する必要がある。

(8) 21世紀初頭の未来像

ア 産業経済面
 通信・放送産業の設備投資額が拡大(2010年には約7.2兆円)し、情報通信分野の市場も拡大(2010年には約125兆円)することが見込まれ、情報通信分野の経済フロンティア拡大への寄与が期待される。また、情報通信の利活用等により、企業活動の効率化や高コスト構造の是正が期待される。

イ 国民生活面
 情報通信の利活用により、生活におけるゆとりが拡大し、知的活動の広がりも期待される。また、テレワークの普及により環境負荷低減効果も期待される。

 

第3章第2節1.(1) 大競争時代の情報通信の役割-(4) アプリケーションの開発・普及 に戻る 2. 通信・放送の融合と展開 に進む