昭和53年版 通信白書

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5 放送大学の実施準備

 放送大学の創設については,教育に対する国民の強い要望にこたえ,高等教育を受ける機会を広く国民各層に提供するため,放送大学の検討について44年10月,郵政,文部両大臣から閣議報告が行われ,これが決定されて以来,郵政省は放送大学のために全国的に放送が可能となるようテレビ1系列,FM1系列の周波数を確保するとともに,文部省と緊密な連絡をとりながら検討を進めてきた。
 文部省に設置された「放送大学(仮称)設置に関する調査研究会議」は,49年3月,「放送大学(仮称)の基本構想」を発表した。この構想で述べられている事項のうち,放送利用に関する事項の概要は,次のとおりである。

(1) この大学は特殊法人とすること。

(2) 大学が放送局の免許を受け,番組の制作及び放送のための人員,施設を持つこと。

(3) 放送番組を制作する組織は,学長の統轄のもとに置くこと。

(4) 放送番組審議機関を置くこと。

(5) 大学の教育内容は,電波により直接一般国民にも視聴されるので,政治的に公平であることが要請される。これを学内の組織において確認できるような工夫をする要があること。

 49年度から文部省は「放送大学(仮称)創設準備調査会」を設置し,この基本構想をもとにして,更にこの大学の創設に必要な事項について準備調査を進めてきたところ,50年12月,この調査結果を取りまとめ,「放送大学の基本計画に関する報告」を発表した。
 51年4月には文部省の「大学設置審議会大学基準分科会」に新たに特別委員会が設置され,放送大学の設置主体,管理運営方式,教育課程等についての検討が行われ,引き続いて,放送大学を含めた大学通信教育一般に適用する基準の制定についての検討が行われた。また,文部省は,51年度「放送大学の放送業務に関する調査研究会議」を設け,放送大学の放送番組の制作及びその送出等放送システムについて調査研究を行った。
 52年度には,文部省では,放送大学に関する準備要員を充実して「放送大学創設準備室」を設け,放送大学の教育課程の編成等創設準備を進める一方,53年度は,国立学校設置法の一部を改正し,国立大学共同利用機関としての「放送教育開発センター」を設立して,放送利用の大学教育に関する内容方法等の研究開発を行うとともに,あわせて,放送大学創設準備の推進を図ることとなった。
 当省としては,今後とも文部省における放送大学に関する検討の進ちょく状態をみながら遺漏のないよう対処することとしている。

 

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