昭和53年版 通信白書

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4 アンテナ技術

 地上マイクロ波回線や衛星通信回線の発展は極めて著しく,これらの回線網が過密化してくるにつれて,有限の周波数をいかに有効に利用するか,また各種回線相互間の干渉雑音をどのようにして低減するかが重要な問題となってきた。
 このような問題に対処する最も効果的な方策の一つとして,国際電電では,目的方向以外への不要な電波放射を極力押えた低サイドローブアンテナの研究を進めており,オフセットグレゴリアンアンテナと名づけられた新しい低サイドローブアンテナを開発した。
 このアンテナは,主反射鏡にオフセット放物面鏡を,また副反射鏡にオフセットだ円面鏡をそれぞれ用いて構成された,オフセット双反射鏡アンテナで,開口面上での,副反射鏡や一次放射器あるいはそれらの支持柱によるブロッキングがないため,非常にサイドローブの低い特性を有している。更に,このアンテナは,二つの非対数反射鏡で発生する交さ偏波成分を互いに打ち消し合わせることが可能なため,交さ偏波特性に優れており,今後の地上中継用あるいは衛星通信用等のアンテナとして,最も有望であると思われる。

 

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