昭和53年版 通信白書

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2 陸上移動業務の狭帯域化通信方式

 近年におけるVHF帯及びUHF帯陸上移動業務用周波数の需要の増大に対処するため,従来セルコール方式の導入,集中基地方式の採用等を行うことにより周波数の有効利用を図ってきたところであるが,更に,今後の需要増にそなえて新たな狭帯域化通信方式の開発等周波数の一層の有効利用を図る必要に迫られている。このため,51年3月電波技術審議会に対し「VHF,UHF帯における狭帯域化通信方式」について諮問がなされた。
 同審議会は,本諮問にこたえ,考えられる各種の狭帯域化通信方式のうち,主として現行のFM通信方式の狭帯域化について重点的に審議することとし,CCIR勧告案等を考慮して51年度にチャンネル間隔12.5kHz(現行方式のチャンネル間隔は,150MHz帯で20kHz,400MHz帯で25kHzである。)を前提するFM送受信機の主要な技術特性の検討を進め,現段階で適当と考えられる規格案を作成した。
 この規格案に基づき52年度において,400MHz帯のFM送受信機を作成し,各種の耐妨害波特性等狭帯域化に必要な技術特性についての室内調査を実施するとともに,現行方式と狭帯域化方式の走行中における音声受信品質の比較評価を行う野外調査を実施した。
 このあと,更に伝送品質に関する問題,室内調査の結果判明した隣接チャンネル干渉による劣化の改善策等,送受信機特性の最終規格案を作成するために必要な残された事項について調査審議を行う予定である。

 

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