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第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか
第1節 電子行政とオープンデータ

(1)オープンデータとは

「電子行政オープンデータ戦略」(平成24年7月4日 IT総合戦略本部決定)において、オープンデータの意義・目的については、以下の3点があげられている。

●透明性・信頼性の向上:公共データが二次利用可能な形で提供されることにより、国民が自ら又は民間のサービスを通じて、政府の政策等に関して十分な分析、判断を行うことが可能となる。それにより、行政の透明性が高まり、行政への国民からの信頼を高めることができる。

●国民参加・官民協働の推進:広範な主体による公共データの活用が進展し、官民の情報共有が図られることにより、官民の協働による公共サービスの提供、さらには行政が提供した情報による民間サービスの創出が促進される。これにより、創意工夫を活かした多様な公共サービスが迅速かつ効率的に提供され、厳しい財政状況、諸活動におけるニーズや価値観の多様化、情報通信技術の高度化等我が国を取り巻く諸状況にも適切に対応することができる。

●経済の活性化・行政の効率化:公共データを二次利用可能な形で提供することにより、市場における編集、加工、分析等の各段階を通じて、様々な新ビジネスの創出や企業活動の効率化等が促され、我が国全体の経済活性化が図られる。また、国や地方自治体においても、政策決定等において公共データを用いて分析等を行うことで、業務の効率化、高度化が図られる。

既に各省庁のホームページ上で各種データの公開が進んでいるが、このような意義・目的に合致する形での「オープンデータ」と言えるためには、①機械判読に適したデータ形式で、②二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータである必要がある。それにより、人手を多くかけずにデータの二次利用が可能となる。

まず、①の、「機械判読に適したデータ形式」は、コンピュータプログラムが自動的にデータを再利用(加工、編集等)できる、特定のアプリケーションに依存しないデータ形式のことを指している。例えば、CSV(Comma Separated Values)、XML(Extensible Markup Language)、RDF(Resource Description Framework)等の形式があげられる。

コンピュータが自動的にデータを再利用するためには、コンピュータが、当該データの論理的な構造を識別(判読)でき、構造中の値(表の中に入っている数値、テキスト等)が処理できるようになっていることが必要となる。機械判読が容易なデータ形式には、いくつかの段階があるが、画像ファイルやPDF等の形式だと、コンピュータプログラムがその中のデータを識別することは困難となり、二次利用をするためには、人手による再入力が必要となる。東日本大震災発生時には、行政の保有する避難所情報などの震災関連情報を地図データ等を利用して広く周知させようとしても、データの形式の問題で人手によって再入力しなければならないなど、情報の集約や二次利用に多くの時間と手間が必要とされるケースが散見された。また、機械判読が困難なデータ形式では、スマートフォンのアプリ等で自動処理することは非常に困難となり、民間による自発的な公共サービスの創造は期待しにくい。

次に、②の「二次利用が可能な利用ルール」については、第三者がデータを一部改変して利用すること、すなわちデータの二次利用を、データ所有者が予め許諾していることを明示することが必要となる。例えば、著作物には著作権が発生するが、二次利用を広く認めるには、その著作権の不行使を予め宣言しておくことが求められる。他方、現在の各府省のホームページの利用条件を見ると、無断での改変を禁じており、広く二次利用を認めるものとはなっていない13。また、数値データ等、著作物に該当しないデータについて、著作権の対象であるような包括的な表現となっている場合もある。

このように、オープンデータは、機械判読の容易性、著作権等の扱いにより、その開放性の程度が異なっている。これを、便宜的に5段階で示すと図表2-1-2-1のようになる。

図表2-1-2-1 オープンデータの5つの段階
(出典)電子行政オープンデータ実務者会議 第1回データWG 資料7(小池データWG主査代理提出資料)


13 総務省ホームページの例をあげると、以下のとおり。
著作権について
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