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第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか
第1節 電子行政とオープンデータ

(3)地方自治体における先行的取組事例

オープンデータは、地方自治体にとっても、住民が暮らしやすい街づくりや行政の「見える化」などにも貢献することが期待されている。ここでは、鯖江市(福井県)、横浜市(神奈川県)における取組を紹介する。なお、本年2月には、世界の各都市で一斉にオープンデータを活用したハッカソン等のイベントを行う「第3回インターナショナル・オープンデータ・デイ」が横浜市で開催され、日本では8都市、世界では100を超える地域が参加した。また、流山市、会塚若松市、金沢市で一部公共データの公開に取り組むとともに、本年4月に、武雄市、千葉市、奈良市及び福岡市の4市が、具体的な事業展開に向けて、ビッグデータ・オープンデータの活用を検討・推進する協議会を設置するなど、具体的な動きが広がりつつある。

ア 鯖江市(福井県) 

鯖江市は福井県北部の中央に位置し、福井市に隣接する人口68,901人(2013年4月1日現在)の市であり、主要な産業はメガネフレームを中心とする製造業である。現市長が2004年の初当選時より「ITの街」を志向しており、2010年に、地元のIT企業関係者等により「データシティ鯖江」が提案された。

同市では、市民との協働の街づくりのために2010年3月に市民主役条例を制定した。その中では、市民と行政の情報共有を規定しており、広報誌やHPなどに続く新しい情報共有の手法として、提案を取り入れこととし、XML、RDFなど二次利用しやすい形でデータを公開する「データシティ鯖江」20に取組始めた。2013年4月現在、公開データ数は24で、公園のトイレ位置、災害時の避難所、AED(自動体外式除細動器)の設置施設の位置、無料の無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイントの位置、コミュニティバスの位置情報などを公開しており、APIも合わせて公開している。それに伴い、地元の企業が市のオープンデータ化の動きをアプリ開発などで支援している。

同市はオープンデータについて活発な普及啓発活動を行っており、2012年5月に「オープンガバメントデイ@鯖江」、同年10月に「オープンデータハッカソン&LODチャレンジデーin 鯖江」、同年11月「オープンガバメントサミットin 鯖江」などを実施するとともに、ハッカソン、WEBアプリコンテストなどによる民間のアプリケーション開発の促進を図っている。

提供されているアプリは、市内のトイレ検索、コミュニティバスのリアルタイム運行状況、観光マップなど、40種類にのぼっている(図表2-1-2-9)。

図表2-1-2-9 トイレ探索アプリの探索画面

なお、「データシティ鯖江」プロジェクトは、本年3月にオープンデータ流通推進コンソーシアムが実施した「勝手表彰」において、最優秀賞を受賞している。

イ 横浜市(神奈川県)

横浜市では、従来より、市民向けの情報公開GISを市役所・区役所単位で提供するなど、情報公開に向けた取組を積極的に進めてきている。オープンデータについても、「オープンデータ流通推進コンソーシアム」の趣旨に賛同し、市民に必要な地域情報を提供するための仕組を検討し、政策課題を市民と共有し対話を重ねることで協働解決に向けた議論を行い、 オープンデータ流通による新たな産業や雇用の創出を図ることを目的として取組を進めている(図表2-1-2-10)。

図表2-1-2-10 横浜オープンデータポータル画面

同市では、本年4月現在、55のデータセットをオープンデータとして公開している。「横浜LODプロジェクト」における(財)横浜市芸術文化振興財団が配信している文化関連情報を活用したアプリケーション開発、横浜市の予算データを利用したWhere Does My Money Go?「税金はどこへ行った」 (日本語版 ver.1.0.) のアプリケーション開発などに対しても積極的に協力している。

また庁内横断的にオープンデータの推進に取り組むため、「オープンデータ推進プロジェクト」をIT化推進本部のもとに設置。CIOが統括する形で、オープンデータを推進するためのアイデアや指針、ガイドラインについて全庁的な体制を組んで検討している。

さらに、民間側の支援組織として、2012年11月に民間企業やNPO法人の代表、大学教授などが発起人となり任意団体の「横浜オープンデータソリューション発展委員会」が設立されており、公的データを活用したアイデアソン・ハッカソンの開催、公的データによって横浜の政策課題を多様な主体で共有・解決に向けた対話を進めるフューチャーセッションの開催などに取り組んでいる。

なお、本年3月にオープンデータ流通推進コンソーシアムが実施した「勝手表彰」において、同市の取組のうち、「税金はどこへ行った」アプリケーション開発、横浜オープンデータソリューション発展委員会の取組がそれぞれ優秀賞、マイクロソフト賞を受賞している。



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