昭和53年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

4 自己相関関数を利用した音声処理方式(SPAC)

 郵政省電波研究所において,50年度に開発した音声波形を自己相関波形に変換して接続する音声処理方式SPAC(Speech Processing system by use of Auto Correlation function)は自己相関関数の性質を巧妙に利用することにより,音声周波数帯域の圧縮・拡大と雑音やひずみの減少を合わせて行うことができるので,伝送帯域幅の節約や,雑音及びフェージングに強い伝送方式の実現が可能となるものである。
 51年度における解析,検討から,S/Nの改善,十分な了解性の獲得等の可能性が明らかとなった。52年度は,正弦波に対するSPACの雑音低減能力を理論的に解析し,S/NがOdBの信号のS/Nを13dB以上も改善できることを明らかにした。また,品質の評価試験により,SPACのS/Nの低い音声の品質改善に有効であることを確認した。一方,狭帯域伝送(低ビット率伝送)への応用として,低速ADM(10kb/s)の信号を処理したところ,品質の改善に効果があった。
 なお,SPACの実時間実験装置を用いて実用的評価実験を行う予定である。

 

3 リンコンペックス通信方式 に戻る 5 無線呼出方式 に進む