昭和55年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

3 車両位置等自動表示システム(AVMシステム)

 AVM(Automatic Vehicle Monitoring)システムは,電波を利用して運行中の車両の位置及び動態(実車,空車又は作業中等)その他の情報を自動的にセンタに収集表示するシステムであるが,車両の効率的な運行管理に極めて有効なものであることから,最近各事業においてこのシステムを導入しようとする気運が高まってきている。
 AVMシステムは,既に米国,欧州等の諸外国はもとより,我が国においても,警察庁,電力会社,タクシー会社等により45年ごろから一部の地域において実用に供されているが,今後の急速な普及が見込まれることから,郵政省においては,電波の有効利用上最も適した方式及び技術条件等を定め,AVMの発展普及を図る必要があり,51年ごろからAVMシステムに関する本格的調査検討に取り組んできた。この結果,AVMシステムの需要が多いと予想される大都市においては,共同利用及び電波の有効利用上から分散送信方式が最も適したものであるとの結論を得たが,我が国では実施例がないため,その有効性の確認と技術資料を得る調査を行う必要性が認められた。このため,54年3月に財団法人移動無線センターを中心とし,タクシー関係等のユーザ,AVM関係メーカ等計20の団体からなる「AVM実験協議会」が設立され,54年9月以来東京において分散送信方式に関する総合的な実験が行われ,55年3月実験に関する報告書が提出された。
 実験結果については,期待どおり分散送信方式の有効性と汎用性が確認されたほか,実用に際してサインポストが適切に設置された場合には,更にその有効性が高まることが明らかにされた。
 郵政省においては,この実験調査結果に基づいて,55年6月AVMシステムに係る無線局の免許申請等に関する処理方針を決定したが,同方針の中で,今後大都市においてAVMシステムを導入する場合には,原則として分散送信方式又は半自動方式によることとした。
 なお,分散送信方式による場合のサインポスト用無線設備の主な規格は第2-7-7表のとおりである。

第2-7-7表 サインポスト装置の主要規格

 

 

2 コードレス電話方式 に戻る 4 自動車公衆無線電話方式 に進む