昭和55年版 通信白書

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9 型式検定と校正

 無線設備の機器の性能に対して,定められた技術基準に適合するか否かを試験によって確認し,証明するとともに,製造技術の向上を図り,能率的な電波監理の遂行に寄与するものに,型式検定がある。
 1974年海上人命安全条約(SOLAS)の発効に備えて,54年8月から無線電話遭難周波数による警急自動受信機を型式検定機種に加え,同年度における処理件数は,届出件数(29件)を含め総計266件に達した。電子技術の急速な進展に伴い受検機器も複雑高度化し,型式検定試験法の開発,試験設備の改良充実,試験実施要員の日常の研さん等がますます重要となってきた。一方,技術の発達と部品の高品質化にもかかわらず年間平均合格率はおおよそ75%にとどまっており,製造段階における一層の努力が必要であろう。
 また,無線局検査用測定器をはじめ,型式検定用,一般産業用その他の無線測定器の校正も,無線機器の性能維持のためには欠くことのできない業務となっている。同年度における校正処理件数は,59件に達した。産業構造の細分化,完成機器の高性能化に伴い,計測単位の精密化,国際統一と国内におけるトレサビリティ体制の整備と併せ,無線用測定器の校正範囲の拡大と充実は,ますます重要で,その期待も大きい。

 

 

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