昭和55年版 通信白書

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7 移動体個別識別システム

 最近,我が国において,マイクロ波帯を利用し,特定地点に設置した質問器から電波を発射し,自動車,貨車,コンテナ等の移動体に取り付けた無電源の番号応答器からその電波の再発射を受信することにより,個別番号を読み取る「移動体個別識別システム」の開発が行われている。
 この装置が実用化されると,各種移動体の実態が自動的に検知されるので,高速道路出入登録,コンテナ運用管理等,移動体管理及び情報システムのセンサとして多くの用途が考えられる。
 このシステムの一例として,マイクロ波番号自動識別装置の応答器が地上質問器送信装置(無線標定陸上局)から発射された断続波(繰返し数ミリ秒)を受信し,これを番号情報により周波数偏移変調(FSK)し,地上質問器へ再発射する方式である。
 この方式の注目すべきところは,応答器が無電源である点である。応答器では質問器よりのマイクロ波をダイオードレクティファイア付アンテナで整流し,得られた直流及びパルス波で駆動させる点である。
 この種のマイクロ波による近接通話は実用例が少なく,特に無電源の応答器の動作については例がないので,将来の実用化への基礎資料を収集する開発実験が進められている。

 

 

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