昭和55年版 通信白書

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12 リンコンペックス通信方式

 郵政省電波研究所は,リンコンペックス方式の陸上移動通信への応用を,48年度以来研究し,開発中である。51年度の実験から,この方式は現行方FM方式と比較して周波数間隔を3分の1に程度に縮小しても,同等の性能が確保でき,周波数スペクトラムの有効利用に対し,将来かなり有望な方式となり得る見通しがついた。
 また,実用的見地からみれば,フェージング抑圧器で再生できない深さと速度をもつ信号変動に応ずるAGCの開発,周波数の高安定化,装置の小型化と簡易化による低コスト化など,解決すべき多くの課題が残されたが,これらは新回路技術等の応用で解決できる見通しを得たので,53年度は実回線における周波数割当て間隔の技術的諸条件に関するデータを取得するために,新たに実用化を目指して送信装置2台,受信装置1台の設計試作を終了した。54年度は,これらの装置を用いて実用化に必要な技術基準に関する資料の調査検討を行った。55年度は,電波技術審議会第2部会第4小委員会の調査活動の一環としての野外実験を実施し,この方式の有効性を明らかにする計画である。

 

 

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