昭和55年版 通信白書

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4 通信用電源技術

 電気通信ネットワークの拡大と質的高度化に伴い,通信用電力システムは良質で信頼度が高く,しかも廉価な電力供給に対する責務が一段と増大してきている。また,省資源,省エネルギーの見地から,小型,軽量化や高効率化に対する配慮も強く要望されている。
 このような状況の下で,直流供給方式については通信用機器の集積化に伴い,低電圧,大電流で高精度を必要とする負荷条件にこたえるため変換周波数を高くした小型高効率で信頼性の高いDC-DCコンバータのほか,給電品質の向上と給電線コストの低減を図った電圧変換直流供給方式の開発が進められている。
 また,高品質の無停電電源を必要とする通信用電源に用いる交流供給方式について,新しい電力用半導体素子やディジタル技術を応用した多重インバータ,PWM(Pulse Width Modulation)インバータ及びCVT(Constant Voltage Transformer)インバータの実用化に引き続いて,経済的で効率の高い商用電源同期式インバータシステムの開発が進められている。
 一方,商用電源の得難い地域において,経済的で安定な通信用電源を得るため,これまでに太陽電池式電源装置の実用化が行われてきたが,さらに風力エネルギーを利用する風力発電式電源装置や化学エネルギーを利用した高効率の燃料電池等の独立した電源システムの研究実用化も行われている。
 さらに,大規模化し,複雑,高度化する重要な電力システムを良好に維持管理するため,多面的保守作業を効率的に支援する新しい技術も求められている。これにこたえるため,受配電系制御装置をはじめ,各種の監視制御機器の開発や設備の有効利用と維持管理の省力化についての調査研究が行われている。

 

 

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