昭和52年版 通信白書

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2 郵便の利用構造

 郵便物は,だれからだれに,どのような内容,目的で利用されているのだろうか。郵政省では,48年9月の第1回調査に引き続き,51年9月に第2回目の「郵便利用構造調査」を実施した。普通通常郵便物について,その利用構造を48年の調査結果と比較してみると,次のとおりである。
(1) 私人・事業所間交流状況
 普通通常郵便物の差出人,受取人をそれぞれ私人と事業所とに分けて,その交流状況をみると,第2-1-2表のとおりとなっている。事業所から差し出される郵便物が全体の約80%,私人から差し出される郵便物が約20%という基本的な利用構造は変化していない。しかし,差出人と受取人とを組み合わせてみると,事業所から私人にあてられる郵便物が39.4%から43.9%に増加し,事業所から事業所にあてられるものが41.1%から36.2%に減少した。その結果私人受取りの郵便物が56.5%から61.0%に増加した。
(2) 産業別交流状況
 産業別の差出割合をみると,第2-1-3図のとおりとなっている。卸小売業が21.7%と最も多い。48年に第二位であった印刷出版業が第四位に後退し,かわりに金融保険業とサービス業がそれぞれ第二位と第三位を占めている。また,48年に第七位であった公務がかなりの増加を示し,第五位となった。以上の第五位までの産業が差し出す郵便物が全体の6割近くを占めている。
 各産業から差し出される郵便物のあて先をみると,各産業とも平均して私人あてが50%程度を占めているが,農林水産業,建設業,その他の製造業(印刷出版業を除いた製造業をいう。以下同じ)の3業種はその割合が低くなっている。48年に比べると,鉱業と印刷出版業を除き,すべての産業で私人あての割合が増えている。
 また,産業相互間でみると,48年に比べ同一産業あての割合がどの産業においても減少しているのが大きな特色となっている。
(3) 内容別利用状況
 郵便物を内容別にみると,第2-1-4図のとおりである。48年には「ダイレクトメール」と「金銭関係」がそれぞれ約19%で上位を占めていたが,51年調査では「金銭関係」が大幅に増加し,全体の約4分の1を占めるに至った。このため「ダイレクトメール」「雑誌・書籍」「物品」を除き,その他の内容の割合はすべて48年に比べ低下した。
 差出人別に分けてみると,私人差出しで多いものとしては,「消息・各種あいさつ」(普通通常郵便物全体の9.1%)を筆頭に,「行事会合案内」(同3.4%),「金銭関係」(同2.6%)などが続いている。事業所差出しでは,「金銭関係」が48年の17.5%から21.9%へと大幅に増加し,「ダイレクトメール」をぬいて第1位となっている。
(4) 形状別利用状況
 郵便物を形状別に分けてみると,第2-1-5図のとおりとなっている。はがきの差出割合が29.2%から37.1%に増加し,反対に封筒が58.1%から53.8%へ,帯封等が12.7%から9.1%へ減少した。その結果封筒とはがきの比が2:1から3:2へ変化した。
 利用内容としては,封筒では「金銭関係」「その他の業務用通信」「ダイレクトメール」が上位を占めている。48年と比べると,封筒全体の差出割合が減少しているなかで「金銭関係」(普通通常郵便物全体で12.2%から15.0%に増加)と「雑誌・書籍」(同2.2%から2.6%に増加)だけは増えている。はがきでは,「ダイレクトメール」「金銭関係」「行事会合案内」が上位を占めている。はがきの全体的な割合の増加の中で,特に「金銭関係」と「ダイレクトメール」の伸びが著しい。更に「ダイレクトメール」については封筒での利用の減少と考えあわせると,封筒利用からはがき利用への転換が図られたことがうかがわれる。

第2-1-1表 51年度総引受郵便物数

第2-1-2表 私人・事業所間交流状況

第2-1-3図 通常郵便物の差出人産業別構成

第2-1-4図 普通通常郵便物の内容別差出割合

第2-1-5図 普通通常郵便物の形状別内容別利用状況
 

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