昭和52年版 通信白書

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3 郵便物の地域間交流状況

 全国で差し出された郵便物は,どこにあてられているのだろうか。郵政省では3年ごとに郵便物のあて地別調査を行っており,最近では51年10月に調査した。これによると,我が国の郵便物の地域間交流状況はおおむね次のような傾向を示している。
(1) 引受郵便物の自府県あて割合
ア.郵便物全体では,その60.7%が引き受けられた都道府県(以下「府県」という。)内で配達され,しかもそのうちの約3分の1は引き受けられた郵便局(自局区内)で配達されている。
 また,自府県あての割合を過去の調査結果と比較してみると,徐々にではあるが増大する傾向にあり,郵便物は比較的近距離にあてられたものが多いといえる(第2-1-6図参照)。
 しかし,種類別にみると,第2-1-7表に示すとおり必ずしも同じような傾向を示してはいない。特に,普通速達通常,小包については,自府県内あての割合がかなり低く,また,自局区内あての割合が極端に低いのが目立っている。
イ.各府県ごとに自府県あての割合をみると,大都市のある府県及びその近接府県は総じて低い割合を示し,その他の府県は高い傾向にある。この傾向は過去の調査でもほぼ同様である。
 全国平均より低い府県は,東京(自府県あての割合47.5%),奈良(同50.2%),大阪(同51.9%),京都(同52.4%),山梨(同53.2%),佐賀(同54.7%),宮城(同57.6%),広島(同58.0%),栃木(同60.1%)の9府県である。
(2) 他府県あて郵便物の交流状況
(1)で述べたように,引受郵便物のあて地及び配達郵便物の引受地は自府県が約6割に達しているが,自府県以外についてみると,次のとおり,あて地,引受地ともに東京都が大きなウェイトを占めている。
ア.引受郵便物の他府県あての第一順位は,第2-1-8表に示すとおりとなっている。すなわち東京都あてが第一順位となっている府県は37府県に達しており,東京あてが第一順位とならなかった府県でも第二順位はいずれも東京あてとなっており,東京都のウェイトがいかに大きいかをうかがうことができる。
 第二,第三順位には,大阪府及び各府県の近接府県があげられる。
イ.配達郵便物の自府県以外の引受地をみると,東京都が第一順位を占める府県が41府県にも達し,東京都のウェイトが更に高いのが目立っている。
 特に,埼玉県は自県引受け(配達郵便物の41.1%)よりも東京都引受け(同44.4%)の方が多いことが注目される。また,神奈川県及び千葉県でも配達郵便物の約40%が東京都から送られている。
 第二順位以下については,アと同様の傾向を示している。
 このように,東京都のウェイトが大きいことは,更に第2-1-9表からも知ることができる。
(3) 引受郵便物に対する配達郵便物の割合(配達比率)
ア.郵便物全体について,府県ごとに引受物数に対する配達物数の割合(以下「配達比率」という)をみると,東京(配達比率69.0%),大阪(同77.6%),広島(同88.4%),宮城(同91.7%)及び奈良(同96.2%)の5府県は,配達より引受けが多く,その他の府県はすべて逆に引受けより配達が多くなっている。
イ.郵便物の種類別に,府県ごとの配達比率をみると,種類により異なった様相をみせている(第2-1-10表〜第2-1-12表参照)。
 郵便物全体に占めるシェアが高い通常郵便物では,郵便物全体にみたと同様東京,大阪,広島,宮城,奈良の5府県が100%を割っているのに対し,小包郵便物では,長野,東京,京都,愛知,岐阜の5府県が100%を割っている。
 また,第三種郵便物・第四種郵便物では,東京,奈良,広島の3府県が配達より引受けが多くなっており,配達比率がそれぞれ,30.9%,31.6%,34.1%と極端に低くなっているのが注目される。

第2-1-6図 自府県及び自局区内あて郵便物数の割合(郵便物全体)

第2-1-7表 自府県及び自局区内あて郵便物数の割合(郵便物の種類別)

第2-1-8表 他府県あて郵便物の第1順位府県の推移

第2-1-9表 「東京都から他府県へ」及び「他府県から東京都あて」の郵便物数の推移(郵便物全体)

第2-1-10図 郵便物数の府県別シェフ及び配達比率(通常郵便物)

第2-1-11図 郵便物数の府県別シェア及び配達比率(小包郵便物)

第2-1-12図 郵便物数の府県別シェア及び配達比率(第三種郵便物・第四種郵便物)
 

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