平成2年版 通信白書

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第1章 平成元年通信の現況

(4)国際通信設備の状況

 我が国の元年9月末現在の国際通信回線数は対前年同期比15.5%増の1万2,862回線であった(第1-2-32図参照)。
 我が国の国際通信回線は、衛星及び海底ケーブルが中心となっており、元年9月末現在では衛星が63.7%、海底ケーブルが36.3%を占めている。
 現在、我が国に陸揚げされている国際海底ケーブルは9本あるが、そのうち元年4月に運用を開始した第3太平洋横断ケーブル(TPC-3)と2年5月に運用開始を予定している香港〜日本〜韓国ケーブル(H-J-K)は光ケーブル方式を採用している。また、2年12月に運用開始を予定している北太平洋ケーブル(NPC)及び4年10月に運用開始を予定している第4太平洋横断ケーブル(TPC-4)も光ケーブル方式を採用する。海底ケーブルは需要の多い2地点間の通信に適しているが、従来のアナログ海底ケーブルでは、コスト面からテレビジョン伝送等高速・大容量の通信には適していなかった。しかし、光ケーブルを使用することでこの欠点が克服され、また、光ケーブル方式は衛星のようにタイムラグを伴わないこと、太陽黒点の活動の影響を受けないことなどの利点を持っている。
 また、日本国内で国際電話等の国際通信にかかわる設備は、国内通信網との接続部分設備と国際間を結ぶ伝送路との接続部分設備に大きく分けられる。前者が国際交換局であり、後者には衛星通信所及び海底線ケーブル陸揚局等が該当する。国際交換局は、国際間の回線の設定、相手国との間で必要な制御情報の授受等の機能を有し、円滑な国際通信を実現する上で沖枢的役割を果たしている。
 KDDの国際電話にかかわる国際交換局は、元年度末現在、東京国際通信センター(東京都)、小山国際通信センター(栃木県)、大阪国際通信センター(大阪府)の3か所が設置されている。また、衛星通信所は茨城県及び山口県の2か所に、海底線ケーブル陸揚局は千葉県及び神奈川県等の6か所に設置されており、これらの局が相互にKDD独自の伝送路及びNTT等の伝送路で結ばれている。
 また、日本国際通信(株)の国際通信設備は、千葉衛星通信局(千葉県)と東京通信センター(東京都)が元年4月に、上山口衛星通信局(山口県)が元年9月に運用を開始した。
 同様に国際デジタル通信(株)の国際通信設備として、千葉衛星地球局(千葉県)と横浜国際通信センター(神奈川県)が元年5月に、山口衛星地球局(山口県)が元年7月に運用を開始している(第1-2-33図参照)。事業者が複数の局を設置しているのは、万一の事故・災害等を想定し、障害等が発生しても他の局へ振り分けることにより支障なく国際通信を運営するためである。

第1-2-32図 対外回線数の推移

国際通信網管理システム

第1-2-33図 我が国の国際通信設備の状況

 

 

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