平成2年版 通信白書

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第2章 国際交流の進展と情報通信

(4)期待される東欧諸国、中国との国際交流

 昭和63年における我が国の全交流量に対して、共産圏との交流が占め る割合を表したのが第2-1-20図である。
 全交流量に対して、ヒトは5.9%、モノは6.0%、カネは1.8%を占めて いるにすぎない。
 共産圏とのヒト、モノ、カネの交流量の推移を表したのが第2-1- 21図である。
 ヒト、モノ、カネはそれぞれこの10年間増加傾向にある。ヒトについ ては、出国者の伸びに支えられて交流量全体としては順調に伸びている。 モノについては、輸出が昭和60年以降2年間滅少傾向を示したが、全体 としてみれば、漸増傾向にある。カネについては、増加減少を繰り返し ながらも10年間増加傾向を示している。 共産圏との全体的な流出入のバランスを表したのが第2-1-22図で ある。
 ヒト、モノ、カネのそれぞれが流出超過となっている。特にヒトにお ける大幅な流出超過が目立っており、10年間この大幅な流出超過は変化 していない。これに対し、モノについては近年輸入が増加し流出超過が 改善されてきつつある。カネについては昭和60年以降大幅な流出超過の 減少がみられたが、近年は以前の大幅な流出超過の状態に戻っている。
 このように、共産圏との交流も順調に伸びているが、その絶対量は、 ヒトについては北米の約6分の1、モノについては約5分の1、カネに ついては約22分の1と、他の地域に比べるとはるかに小さい。また、交 流のバランスはかなりの流出超過となっている。共産圏の中でも東欧諸 国については、我が国としても今後民主化の実現と経済の発展を支援す るため、国際交流そのものの絶対量を増加させていくことが期待される。 中国については、天安門事件以降、渡航が制限されるなど、我が国との 国際交流は全般に減少し大きな変化を見せたが、今後再び回復すること が期待されている。
 以上、国際交流の進展状況をみてきたが、第2項では、このような国 際交流の進展、特に情報の国際交流の進展をもたらした大きな要因であ る情報通信基盤の整備状況についてみることとする。

第2-1-20図 全交流量に占める共産圏の割合(昭和63年)

第2-1-21図 共産圏との交流の推移

第2-1-22図 共産圏との交流のバランス

 

 

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