平成2年版 通信白書

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第1章 平成元年通信の現況

(4)情報提供指標

 家庭に対し提供された情報量の推移を表す情報提供指標は昭和50年を100とすると、昭和63年は170.4と、対前年比17.7ポイントの伸びとなった(第1-3-24図参照)。
 昭和63年に家庭に対し提供された情報量を、印刷系、放送系及びパッケージ系に分けてみると、パッケージ系が特に高い伸びを示した。
 昭和63年の印刷系の総提供部数は、約242億部で、対前年比1.9%増(対昭和50年比1.3倍)となった。全体の約4/3を新聞が占めているが、伸び率で見ると、月刊誌が対前年比7.3%増(対昭和50年比約2倍)と高い伸びを示している。この伸びは、発行種類の増加(対昭和50年比1.5倍)が主な原因である(第1-3-25図参照)。
 昭和63年の放送系の総提供時間は、約140万時間で、対前年比3.3%増(対昭和50年比1.4倍)となった。この伸びは、衛星放送の開始等によるチャンネル数の増加によるものであり、昭和63年は15.9チャンネルで、昭和50年の11.5チャンネルの1.4倍となった。また、提供時間の構成を見ると、テレビジョン放送が全体の54%と占める割合は高くなっているが、伸び率では、ラジオ放送の伸び(対昭和50年比1.5倍)が高くなっている(第1-3-26図参照)。
 昭和63年のパッケージ系の総提供時間は、約213百万時間で、対前年比23.9%増(対昭和50年比2.4倍)と高い伸びを示した。全体の約8割をレコード及びCD等の音声系が占めるが、ここ5年間の伸び率では、ビデオカセット、ビデオディスクといった画像系の伸びが高く、昭和58年がらの5年間で約12倍の伸びとなった(第1-3-27図参照)。
 以上見てきたように、家庭における情報化は、情報通信機器の保有を中心とした装備面と家庭に対する情報の提供面で進展している。一方、情報の利用面では、昭和50年以降、テレビジョン放送を中心としたマス・メディアの利用時間力吠部分を占めており、ほとんど進展がみられない。
 このような一般的な動向のほか、近年の家庭の情報化の特徴は、装備面ではVTR及び衛星放送の普及、利用面ではゲーム用コンピュータ等の端末としてのテレビジョン受信機の多目的利用という形で、装備面及び利用面で多様化が進展している。
 一方、テレビジョン受信機と同様に家庭にほぼ行き渡っている電話は、まだ、利用時間がそれほど多くなく、また、パソコン通信及びビデオテックス通信といった電話の多目的利用の面も遅れている。
 今後、電話それ自体の利用及び電話の多目的利用が進展していく上で、現在の通話を中心とした料金体系の多様化及び低廉化が検討されることも家庭の情報化の進展の一助となると考えられる。

第1-3-24図 情報提供指標の推移

第1-3-25図 印刷系提供部数の推移

第1-3-26図 放送系提供時間の推移

第1-3-27図 パッケージ系提供時間の推移

 

 

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