平成2年版 通信白書

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第1章 平成元年通信の現況

(6)航空機衝突防止装置(ACAS)の導入

 ACASは、電波を利用して航空機の衝突を回避するもので、ACASを搭載した航空機は、周辺のATCトランスポンダ(自動応答装置)を搭載した航空機に対して質問信号を送信し、相手機からの応答信号を受信・解析して相手機の距離、高度及び方位を測定する。これにより衝突の可能性の有無、衝突までの時間、高度差等を計算し、パイロットに音声等で警報を与え適切な回避情報を提供するものである。
 米国では、昭和62年12月にACAS-<2>の装備の義務化等のための連邦航空法が改正されたのに伴ない、元年2月、航空機の搭載のための具体的な内容を規定した連邦航空規則が発効した。
 ICAO(国際民間航空機関)においても昭和58年5月から国際標準等の原案作成のため検討を始めており、元年4月に世界的運用評価を行うための中間SARPS (標準及び勧告方式)が作成された。また、国内では、2年6月から運用評価のための実験を開始する予定である。
 郵政省では、ACASの導入を図るため検討を進め、2年3月に電気通信審議会からその技術的条件についての答申を受けた。また、2年5月に本装置の導入のための関係省令の改正について電波監理審議会に諮間する予定である。

 

 

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