平成2年版 通信白書

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第1章 平成元年通信の現況

5 国際情報流通の動向

 国際情報流通は、「情報流通センサス」の計量手法に基づき、国際郵便物数、国際電話取扱数、国際テレックス取扱数、国際電報通数及び国際テレビジョン伝送時間の送受信量から我が国の国際情報流通状況を把握するものである。
 昭和63年度における送受信状況は、送信量2.45×1011ワード(対前年度比10.9%増)、受信量3.11×1011ワード(同10.3%増)であり、送受信量全体のうち送信が44.1%、受信が55.9%を占め、前年度とほぼ同様の入超傾向を示している。また、昭和53年度から昭和63年度までの送受信量は、我が国の国際化の進展に伴い送受信量とも増加しており、昭和53年度に比較して送信量が1.5倍、受信量が1.6倍、送受信量全体で1.6倍になっている(第1-3-43図参照)。
 国際郵便、国際電話等のパーソナルな通信メデ゛イアと国際テレビジョン伝送のマス系の通信メディアに分けて送受信量をみると、パーソナルな通信メディアの送受信量については、昭和53年度の3.59×1011ワードから昭和63年度にはその1.5倍の5.54×1011ワードになっている。昭和63年度のパーソナルな通信メディアの送信量は2.45×1011ワード、受信量は3.09×1011ワードで、送受信比率は送信が44.2%に対して受信が55.8%で前年度とほぼ同様の入超傾向をしている(第1-3-44図参照)。
 メディア別内訳をみると、昭和63年度の国際郵便の送信量は前年度比6.6%増の1.76×1011ワード、受信量は同7.2%増の2.38×1011ワード、国際電話の送信量は同29.6%増の6.43×1010ワード、受信量は同27.7%増の6.54×1010ワードであった。これに対して国際テレックスの送信量は同25.5%減の4.4×109ワード、受信量は同18.2%減の6.5×109ワード、国際電報の送信量は同17.7%減の2.5×109ワード、受信量は同17.3%減の2.6×109ワードであった。
 昭和53年度がら昭和63年度までの、国際郵便、国際電話、国際テレックス及び国際電報のメディアの内訳の推移を示したのが第1-3-45図である。国際郵便及び国際電話による情報量の送受は年々増加しているものの、情報量に占める割合がらみると、情報の送受には国際電話を利用する傾向が増大している。これは、より簡便・迅速な情報伝達手段として電話が利用されているためと考えられる。
 国際テレビジョン伝送のマス系通信メディアの送受信量については、昭和53年度の5.02×107ワードから昭和63年度の1.54×109ワードと30.7倍になっている。送信量については昭和53年度の5.43×106ワードから昭和63年度の8.30×107ワードと15.3倍に、受信量については昭和53年度の4.47×107ワードから昭和63年度の1.45×109ワードと32.5倍に大きく伸びている。昭和59年度にKDDが専用線形態の国際テレビジョン長期サービスを開始し、昭和59年度の受信量は前年度に比べて約7倍に伸びた。マス系通信メデイアの送受信比率は送信が5.4%、受信が94.6%で、受信が送信の約18倍と格差が大きい。マス系通信メディアの受信量が飛躍的に増大しているのは、我が国の国際化の進展に伴い国内のテレビジョン放送における海外情報に対する需要が高まうているためと考えられる。一方、送信量は伸びてはいるが、受信量と比べて低い値にとどまっている。日本の現状をより多く世界の人々に認識してもらうためにも、マス系メディアを通した海外への隋報発信量をより一層増大させていく必要があるだろう (第1-3-46図参照)。

第1-3-43図 国際情報流通量の推移

第1-3-44図 パーソナルな通信メディアの送受信量及び送受信比率の推移

図1-3-45図 パーソナルな通信メディアの送受信内訳

第1-3-46図 マス系通信メディア送受信量及び送受信比率の推移

 

 

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