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第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0
3 Society 5.0の実現とその真価の発揮に向けて

(4)人間とICTの新たな関係

我が国では、平成時代においてもいくつかの大災害に見舞われた。インターネットや携帯電話が災害時の情報伝達等の在り方を変えることになったことも特筆すべきであろう。平成30年7月豪雨の経験からは、発災時には各地区の状況に応じたきめ細かい情報が求められている可能性が示唆される。また、避難勧告等が出されていたにもかかわらず、住民の避難が遅れることにより犠牲者が出たことを踏まえると、単に情報を「伝える」ことにとどまらず、情報が「伝わる」ことで、具体的な行動につながることの重要性も教訓となるだろう。

ICTは、テレワーク等の働き方改革の取組を支えるものであるが、このような取組が効果を上げるためには、単にICTツールの導入のみならず、社内制度の整備も併せて行うことが重要となる。働き方を含め、ICTが暮らしを更に支えるものとしていくためには、ICTという観点中心で物事を見るのではなく、暮らしという広い観点を中心に据えた上で、ICTがどのような役割を果たすのかというアプローチが求められる。

AI等の新たな技術は、人々に理解され、受容されることではじめて暮らしを支えるものとなる。これまで技術は人間を「拡張」することで、人間の「できること」を強化してきた。ICTも同様に、生活や働き方の上で人間の「できること」を増やしていくだろう。そして、人間とICTの新たな関係が構築されていくこととなる。

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