総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和元年版 > AI・ロボットの受容性の各国比較
第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0
第4節 人間とICTの新たな関係

(1)AI・ロボットの受容性の各国比較

人々が人工知能(AI)を、どの程度受容するかに関連して、ロボットの生活への受容性を日本、米国、ドイツで比較した調査結果1を基に概観すると、いずれの国でも6〜7割が「受け入れられる」と回答しており、抵抗感のある層は少ない(図表2-4-1-1)。

図表2-4-1-1 ロボットの生活への受容性
(出典)野村総合研究所(2016)「ロボット・AIに関する日・米・独インターネット調査」を基に総務省作成

また、一般の生活者がロボットをどう捉えているのか、「人型ロボット」「お掃除ロボット」「小売店にある誘導ロボット」「工場の組み立てロボット」の4つを見せ、自身が考えているロボットのイメージと合致するか質問した結果では、我が国は、米国及びドイツと比較した場合、相対的に人型ロボットをイメージする割合が高いことがわかる(図表2-4-1-2)。その考えられる要因として、鉄腕アトムやドラえもんなどのアニメの影響との指摘がある2

図表2-4-1-2 ロボットのイメージ あなたのロボットのイメージに一致しているか3
(出典)野村総合研究所(2016)「ロボット・AIに関する日・米・独インターネット調査」を基に総務省作成

ただし、一般的な生活者がAIについて十分に理解しているかどうかは注意が必要である。特に我が国では、ニュースなどでサービスが取り上げられる際、単にAIを使っているとの説明にとどまり、サービス全体のうちのどこでAIを使い、何ができて限界は何かまで説明されることは少なく、もう少しAIへの理解を進めるべきとの指摘4がある。



1 野村総合研究所(2016)「ロボット・AIに関する日・米・独インターネット調査」株式会社野村総合研究所『知的資産創造』2016年5月号(https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/publication/chitekishisan/2016/05/cs20160509.pdfPDF)

2 日戸・谷山・稲垣(2016)「ロボット・AI技術の導入をめぐる生活者の受容性と課題 日米独3カ国調査からの示唆」 知的資産創造2016年5月号

3 注1) インターネットを通じて日本(1390人)、米国(1369人)、ドイツ(1382人)の満16〜69歳の人に調査を実施
注2) それぞれロボットを表す画像を提示した上で、「とても一致している」から「とても一致していない」までの4段階尺度で回答してもらっている

4 総務省(2019)「デジタル化による生活・働き方への影響に関する調査研究」有識者ヒアリング(武蔵野大学 中西崇文准教授)に基づく。

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