総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和元年版 > 地方公共団体における情報システムのクラウド化・セキュリティ対策等
第2部 基本データと政策動向
第9節 ICTによる行政・防災の推進

(3)地方公共団体における情報システムのクラウド化・セキュリティ対策等

ア 自治体クラウドの積極的な展開等

「自治体クラウド」は、地方公共団体がシステムのハードウェア、ソフトウェア、データ等を自庁舎で管理・運用することに代えて、外部のデータセンターにおいて管理・運用し、ネットワーク経由で利用することができるようにする取組であり、かつ複数の地方公共団体の情報システムの集約と共同利用を行っているものである。この取組はシステムの運用経費の削減や業務の効率化・標準化の観点から重要であるとともに、地方公共団体の庁舎が損壊し、行政情報が流失する被害が生じた東日本大震災の経験も踏まえ、堅牢なデータセンターを活用することで、行政情報を保全し、災害・事故等発生時の業務継続を確保する観点からも重要である。

総務省では、IT総合戦略本部eガバメント閣僚会議の下に開催されている、政府CIOを主査とする「国・地方IT化・BPR推進チーム」における主要検討課題の一つとして、これまでの取組に、政府CIOの知見を加えて更に取組を加速しているところである。さらに、総務省では、自治体クラウドを導入した全国56グループの取組事例(2016年(平成28年)1月現在)について深掘り・分析、整理・類型化を行い、その成果を「自治体クラウドの現状分析とその導入に当たっての手順とポイント」という形で取りまとめ、全地方公共団体に対して助言を実施した。2017年(平成29年)11月には「地方公共団体におけるクラウド導入に係るロードマップ」を取りまとめるとともに、全地方公共団体においてクラウド導入等に関する計画を2017年度(平成29年度)内に策定するよう要請した。また、2018年(平成30年)3月には「市区町村における情報システム経費の調査結果」を公表した。

(一財)APPLICにおいても、2015年(平成27年)5月から2016年(平成28年)2月まで「クラウド推進検討会議」を開催し、地方公共団体がクラウド化を検討する際の実務ガイド(大規模自治体クラウド化モデル)として、同年4月に報告書を取りまとめ、地方公共団体に対し情報提供を行うとともに、2017年(平成29年)7月から、「クラウド・データ利活用検討タスクフォース」において、地方公共団体がパブリッククラウドを利活用するためのクラウドサービス評価基準等の検討を行っている。

イ 情報セキュリティ対策の強化

総務省では、地方公共団体の情報セキュリティ対策の抜本的強化を図るため、①マイナンバー利用事務系では、端末からの情報持ち出し不可設定等を図り、住民情報流出を徹底して防止すること、②マイナンバーによる情報連携に活用されるLGWAN環境のセキュリティ確保に資するため、LGWAN接続系とインターネット接続系を分割すること、③都道府県と市区町村が協力して、自治体情報セキュリティクラウドを構築し、高度な情報セキュリティ対策を講じること、との三層からなる対策を推進している。さらに、従来インターネット経由で更新されていた、プログラム更新ファイル(OS、ウイルスパターンファイル)等をLGWAN環境内で安全に受け渡しできるようにする自治体情報セキュリティ向上プラットフォームを構築し、2017年(平成29年)12月より実証運用を開始するとともに、2018年度(平成30年度)においては、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を改定した。

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る