総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和元年版 > 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの技術的条件
第2部 基本データと政策動向
第3節 電波政策の展開

(4)空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの技術的条件

空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムは、電波の送受信により電力を伝送するシステムであり、有線で接続することなく、情報通信機器等への充電や給電が可能であることから、工場内で利用されるセンサー機器等への給電、オフィスにおけるマルチメディア機器等の充電など、幅広い分野での利用が期待されており、現在、それらの実用化に向けて国内外で実験・開発が進められている。

空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムは、既に実用化されているコイルを介した磁界結合型ワイヤレス電力伝送システムや電極を介した電界結合型ワイヤレス電力伝送システムと異なり、空中線を用いて空間へ意図的に電波を発射することで電力を伝送するという性格を有している。このため、2018年(平成30年)8月に公表された「電波有効利用成長戦略懇談会」の報告書において、「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」の実用化に係る制度整備に当たっては、基本的には、無線設備として規律していくことが適当と考えられるとの提言がなされた。

これを受け、「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの技術的条件」について2018年(平成30年)12月12日に情報通信審議会へ諮問を行い、情報通信審議会情報通信技術分科会陸上無線通信委員会に設置された空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム作業班8において、従来の無線システムと同様に、他の無線システムとの周波数共用や電波の安全性について検討を開始した。検討に当たり、導入を希望する空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの条件(送受信距離、利用周波数、空中線電力等)について2019年(平成31年)1月に一般に広く募集を行った。その結果及び制度化の時期等を踏まえ、工場等の屋内での利用を想定した920MHz帯、2.4GHz帯及び5.7GHz帯を利用したシステムの導入について、2019年(令和元年)末を目途に共用が可能な技術的条件について答申を受けるべく検討を行っている。なお、屋外利用や大電力化等の可能性の検討については、商用化の時期や実用化の取組状況等を総合的に勘案して判断することとしている。



8 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム作業班:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/idou/b_wpt_wg.html別ウィンドウで開きます

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