昭和48年版 通信白書

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第2節 郵便の利用状況

1 郵便物数の動向

 昭和47年度は,46年12月に行われた円の大幅な切り上げのため,我が国の経済成長に悲観的観測が流れていたが,結果的には実質国民総生産で対前年度比約11.0%増と46年度の6.6%より高い成長率を示した。
 また,市民生活にとっては,消費者物価の上昇に加えてそれまで比較的安定していた卸売物価まで上昇し始めた年でもあった。
 このような環境のなかにあって47年4月から48年3月までの1年間に差し出された郵便物の総数は,125億6,038万通(個)であって,前年度の122億8,632万通(個)に比べて2.2%増加した。
 年間引受郵便物数の推移を46年度からみると第3-1-1表のとおりである。
 特殊取扱の料金及び内国通常郵便物のうちの第三種郵便物及び第四種郵便物の料金は46年7月1日に,第一種郵便物及び第二種郵便物の料金は47年2月1日に改正された。その影響を受けて47年度の内国通常郵便物数は前年度に比べ2.5%の増加にとどまり,46年度がその前年度に比べて4.5%の増加であったのに比較すると,対前年度増加率は著しく低い結果となった。この傾向は48年度においても多少残ることが予想される。
 小包郵便物については,46年4月に料金改正が行われ,その影響が予想以上に大きく,46年度においては前年度に比べ14.1%減少したが,47年度は回復の兆しを見せて前年度に比べ4.6%増加した。
 この1年間の郵便物数の推移を種類別にみると,普通通常の第一種郵便物は,前年度に比べ2.1%増加した。ただし,このうち定形外郵便物は6.7%減少した。これは料金の改正率が比較的高かったことによるとみられる。
 第二種郵便物は,前年度に比べ4.1%増加したが,特に衆議院議員選挙を控えた11月は対前年同月比19.0%と高い増加率を示した。
 第三種郵便物は,料金改正後ちょうど1年目に当たる6月までは前年同月に比べて大きな減少を示したが,7月以降は増加に転じ,年度累計では前年度に比べ0.9%の減少にとどまった。
 第四種郵便物は,前年度に比べ,全体として0.8%減少したが,このうち通信教育は1.9%、盲人用点字は9.6%,学術刊行物は12.6%と増加したのに対し,農産種苗は23.4%の減であった。なお,農産種苗の減少は近年著しく,最高を示した40年度物数の半数以下となった。
 書留通常郵便物は,前年度に比べ2.4%増加した。このうち一般書留が0.7%減少したのに対し簡易書留は15.9%増加した。これは,一般書留から簡易書留への移行が進んだためとみられる。
 普通速達通常郵便物は,ほぼ前年度と同数(前年度比Δ0.0%)にとどまった。これは料金改正の影響もあるが,普通通常郵便物の送達速度の安定によるところが大きいものと思われる。
 小包郵便物は,4月は対前年同月比で10.4%減少したが,5月以降は増加に転じ年累計では4.6%増加した。ただし,このうち書籍小包は,前年度に比べ69.1%と著しく増加したが,それ以外の小包は0.1%減少した。
 年賀郵便物は,料金改正の影響はあまり見られず,前年度に比べ5.6%増加した。
 選挙郵便物は,47年12月に衆議院議員選挙が行われたが,参議院議員選挙,統一地方選挙が行われた46年度の物数を大きく下回った。

第3-1-1表 年間引受郵便物数の推移

 

 

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