昭和48年版 通信白書

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3 国際協力の今後の展望

 1970年秋の第25回国連総会で全会一致採択された70年代の世界開発戦略としての「第2次国連開発の10年」は,その目標の一つとして,先進国による援助量の拡大をあげている。具体的には,先進国の援助量がおそくとも1975年までにGNPの1%に達すること,そして政府開発援助も同時期までにGNPの0.7%に達することを求めている。
 我が国の場合,援助量全体はほぼ対GNP比1%に近づいている(47年で0.93%)が,政府開発援助のGNPに対する比率は,47年で0.21%(金額では約6億1,000万ドル)と非常に低く,前述の目標に達するためには,更に一層の努力を必要としている。
 このような世界的すう勢のなかで,我が国の国際協力活動は資金協力,技術協力いずれの面においても一層増大していくものと思われる。
 通信分野における技術協力は,量的にみて現在我が国の技術協力のうちで1割強の比率を占めており,質的にも最も効果をあげている部門の一つである。しかし,今後一層増大していく技術協力の要請に対して,協力態勢の本格的な充実強化を図るべき時期がきているといわなければならない。
 現在の研修員受入れは,郵政省のほか電電公社,国際電電,NHK等において,自社職員の研修のための施設を利用し,また指導者も他の本務を抱えた人たちがスケジュールをやりくりしてあたっているのが実情であり,今後の研修需要を考えるとき,通信分野における専門研修施設を設ける必要性が痛感される。
 また,専門家の派遣についても,これまでの専門家があげてきた成果の上に,更に大きな国際的寄与をするためには,層の厚い専門家の養成が必要である。この意味で,上述の研修施設が同時に専門家養成の場としての機能を持つことが期待される。

 

 

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