■ 構　成

第1部　特集　「ICTの利活用による持続的な成長の実現〜コミュニケーションの権利を保障する「国民本位」のICT利活用社会の構築〜」

国民本位のICTの利活用が、いかに地域の活性化、絆の再生、環境負荷軽減、持続的な経済成長、競争力の強化に貢献できるかについて、分析を実施


○国民本位のICT利活用を推進した場合、いかに国民の便益が向上し、地域が活性化されるか、ソーシャルメディアの活用などにより、地域社会の絆がいかに再生されるかを検証


○グリーンICTの推進により、地球温暖化問題への取組や地域活性化にいかに貢献できるかを検証


○ICTによる持続的な経済成長への道筋と、イノベーションやグローバル展開を通じた国際競争力強化の道筋について検証

第2部　情報通信の現況と政策動向


平成21年度における総務省実施の承認統計・業務統計を中心に、日本の情報通信の現状を示す最新のデータを掲載


平成21年度における情報通信分野での最新の政策動向について、総務省の取組を中心に記述


○「医療・健康」「教育・就労」「生活・暮らし」の公的サービス分野でICTを利活用した国民本位のサービスへの利用意向は高く、また、ICTを利活用してこうしたサービスを提供したときの国民のメリットは大きい。

○ブロードバンドサービスの普及が進むことにより、新規増分支出（全世帯ベースで8.7兆円）を創出し、名目GDPを1.5％(粗付加価値額約7.2兆円）押し上げる効果がある。

○65歳以上の高齢者のインターネット利用率は、36.9％と低調（全体平均78％）。
○年齢が高くなるほどソーシャルメディア（ブログ、SNS、マイクロブログ等）の利用率は低い。
○ソーシャルメディアで「家族・親戚の絆」「友人・知人の絆」「世代間の絆」「職場の絆」を再生する効果は高い。年齢が高くなるほど「絆」を再生する効果が高く、高齢者のインターネット利用の推進が重要。


○グリーンICTにより、1990年度のCO₂総排出量の10％の削減効果が期待される。
○他先進国も雇用創出と環境保護の同時実現を目指すグリーンICTを戦略的に推進。



○日本の情報通信産業の市場規模は、全産業の約1割。
○日本の情報通信産業は、マイナス成長の時期も含め経済成長に対する寄与度は一貫してプラスを維持。平成19年までの5年間での平均で約34％の寄与率。

○日本の情報通信資本の成長は、過去10年間で米国（約4倍）、英国（約4.5倍）の約半分。
○「小売」「対個人サービス」「農林水産」「医療・福祉」「教育」等ICT利活用分野で低迷。
○情報化投資の加速とICT利活用の促進が今後の成長のために必要。

○我が国のイノベーション環境は「製品・サービスの洗練度」（[2]）は高い一方で、「持続的変化対応力」（[1]）、「ビジネス基盤成熟志向」（[3]）、「科学技術ビジネス対応力」（[5]） が米国等と比べて低く、これらを高めることが必要。