昭和56年版 通信白書

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6 多重放送

 多重放送は,既存のテレビョジン放送又は超短波放送(FM放送)の電波を使用して新たに音声放送,文字放送,静止画放送及びファクシミリ放送を同時に送信できる新しい放送形態であって,国民の情報需要にこたえるとともに,有限である電波の効率的使用を図るための一方策として,近年広く国民一般から強い関心が寄せられている。
 郵政省は,多重放送の利用に伴う諸問題について種々調査研究を行ってきたが,得られた技術開発の成果はできる限り早く国民に還元するという見地から,テレビジョン音声多重放送のうち,技術的,制度的に問題の少ないステレオホニック放送,翻訳による二か国語放送についてのみこれを試験的に実施することとし,53年9月,テレビジョン音声多重放送の免許方針の策定等を行った。
 その後,テレビジョン音声多重放送の利用の拡充を図るため,55年12月,上記免許方針を修正し,従来のステレオホニック放送及び2か国語放送のほか,テレビジョン放送番組と同時性があり,かつ,内容において関連性を有する限り,広くテレビジョン音声多重放送の実施を認めることとした。また,災害に関する情報は,生命,財産に直接かかわるものであり,かつ,緊急,臨時的なものであるので,テレビジョン放送において災害に関する情報の放送を行う場合には,たとえ同時ではなくともテレビジョン音声多重放送を用いて当該情報に係る放送を随時実施できるように措置した。
 こうして,56年3月末までに,NHK(東京,大阪,名古屋等の総合番組局6局)及び民放42社が実用化試験局の免許を受けて,テレビジョン音声多重放送を実施している。
 また,文字放送については,56年3月,その方式及び技術基準について電波技術審議会から答申が提出されたのを受けて,現在その実用化に向けて利用方法,実施主体等制度上の諸問題を検討しているところである。

 

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