昭和51年版 通信白書

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2 業務用通信の産業別利用状況

(1) 業務用郵便の利用状況
 「昭和48年9月郵便利用構造調査報告書」によれば,内国通常郵便物の80.5%は事業所から差し出す業務用郵便である(第1-2-4表参照)。これを業種別にみると卸・小売業が25.8%と最も多く,次いで印刷・出版業,金融・保険業等が郵便を多く利用している(第1-2-13表参照)。
 また,業務用郵便は,そのうち58.9%が料金別後納郵便物として差し出されており,しかも料金別後納郵便物全体に占める業務用郵便の割合は92.3%となっている。したがって,料金別後納郵便物の動向から業務用郵便の動向をみることができる。
 内国通常郵便物を料金別後納郵便物とそれ以外の切手ちょう付等の郵便物に分けて,ここ10年間における動向を比較すると内国通常郵便物のうち料金別後納郵便物の占める割合は40年度で38.1%であったのに対し,50年度には49.5%とおよそ半分を占めるに至っている。
 また,40年度の郵便物数を100とした場合,50年度の切手ちょう付等の郵便物は118であるのに対し,料金別後納郵便物は188となっている(第1-2-14表参照)。すなわち,ここ10年間をみると,料金別後納郵便物は切手ちょう付等の郵便物に比べ著しく増加しており,料金別後納郵便物はそのほとんどが業務用郵便物として利用されていることからすると,最近における郵便物数の伸びは主として業務用郵便に負うところが大きいものと思われる。
(2) 事務用電話の産業別利用状況
 事務用電話の加入数は,50年度末現在約1,108万加入に達し,過去15年間に約3.5倍に増加した(第1-2-15図参照)。このように急速な普及をみた事務用電話の利用を業種別,事業規模別1事業所当たり平均加入回線数でみると第1-2-16図のとおりである。すべての事業規模において,卸・小売業,金融保険業等第三次産業の利用が高く,事務用電話が物的生産活動よりも流通・サービス活動において相対的に重要な役割を演じていることがわかる。この1事業所当たり平均加入回線数に47年「事業所統計」(総理府統計局)の業種別・事業規模別事業所数を乗じることにより,事務用電話の業種別加入回線数構成を推計すると,第1-2-17図のとおり,卸・小売業が全加入回線数の50%以上を占め,また,これに金融保険業,運輸通信業及びサービス業を加えた第三次産業の比率は約76%にまで達する。
 以上から,事務用電話の利用はさきにみた業務用郵便と同様卸・小売業,金融保険業等の第三次産業に大きく依存していることが明らかである。我が国の産業構造における第三次産業のウェイトは今後も増大することが予想されるため(第1-2-18図参照),この傾向はますます強くなるであろう。

第1-2-13表 業種別業務用郵便差出状況

第1-2-14表 料金別後納・切手ちょう付別郵便物数の推移(1)

第1-2-14表 料金別後納・切手ちょう付別郵便物数の推移(2)

第1-2-15図 事務用電話加入数の推移

第1-2-16図 1事業所当たり平均加入回線数(業種別)

第1-2-17図 事務用電話業種別加入回線数構成

第1-2-18図 産業構造の変化と業務用通信
 

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