昭和51年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

5 放送大学の実施準備

 教育に対する国民の強い要望にこたえ,高等教育を受ける機会を広く国民各層に提供するための放送大学の構想について,当省においても文部省と緊密な連絡をとりながら検討を進めてきた。
 文部省に設置された「放送大学(仮称)設置に関する調査研究会議」は,49年3月,「放送大学(仮称)の基本構想」を発表した。この構想で述べられている事項のうち,放送利用に関する事項の概要は,次のとおりである。
(1) この大学は特殊法人とすること。
(2) 大学が放送局の免許を受け,番組の制作及び放送のための人員,施設を持つこと。
(3) 放送番組を制作する組織は,学長の統轄のもとに置くこと。
(4) 放送番組審議機関を置くこと。
(5) 大学の教育内容は,電波により直接一般国民にも視聴されるので,政治的に公平であることが要請される。これを学内の組織において確認できるような工夫をする必要があること。
 49年度から文部省は「放送大学(仮称)創設準備調査会」を設置し,この基本構想をもととして,更にこの大学の創設に必要な事項について準備調査を進めてきたところ,昨年12月17日この調査結果をとりまとめ,「放送大学の基本計画に関する報告」を発表した。この中で,
(1) 全国世帯の約80%をカバーするためには,全国約200の地点にテレビ,ラジオの送信所を段階的に整備していく必要があること。
(2) 前記(1)の送信所を設置するためには,約420億円の経費(敷地取得費を除く。)が必要であること。
(3) 大学創設後の第一期事業の目標として,東京,名古屋,大阪の3広域送信所と,東北,四国に第一次県別送信所を設置すること。
などが述べられている。
 51年度から文部省の「大学設置審議会大学基準分科会」に新たに「放送大学特別委員会」が設置され,放送大学の設置主体管理運営方式,教育課程等について,現行の大学制度との関連において検討されている。
 当省としては,今後とも文部省における放送大学に関する検討の進ちょく状況をみながら遺憾のないよう対処することとしている。
 

4 テレビジョン放送の難視聴解消 に戻る 6 多重放送 に進む