昭和51年版 通信白書

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2 データ伝送技術

 遠隔地のデータ端末装置と電子計算機間,あるいは電子計算機相互間でデー夕の送受信をいかに能率的に行うかは,データ通信システム構成上重要である。
 データ伝送方式は,ディジタルデータ信号を原形に近い形で伝えるベースバンド伝送方式,信号をモデム(変復調装置)によりアナログの交流信号に変換して伝える帯域伝送方式及びPCM(パルス符号変調)伝送路を利用する方式に大別される。現在,電電公社でサービスを提供しているデータ伝送の種類は第2-7-2表のとおりである。
 データ伝送速度は,データ入出力装置によって最適速度がまちまちであり,50b/s〜数十Mb/sという極めて広範囲な速度が要求されている。電電公社では,自動等化器を採用した音声帯域専用回線用9,600b/sモデムについて開発が終了し,また,広帯域回線を利用する高速度データ伝送方式については,48kb/s(48kHz帯域を使用)が既に実用化され,68kb/sは実用化のための準備が進められている。
 国際電電では,音声級回線での高速データ伝送用のQAM(直交振幅変調)方式による自動位相等化器付9,600b/sモデムの開発を進めていたが,研究段階も終り,実用化について検討を進めている。また,広帯域回線用変復調装置の開発については,群帯域用72kb/sモデムを試作し,フィールド試験を行っている。一方,変復調動作をディジタル化した超多重搬送電信端局装置(ディジプレックス)の開発については,日米間試験の好結果をふまえて,51年度後半日米間での実用化を目指している。
 なお,現在,国際電電でサービスを提供しているデータ伝送の種類は第2-7-3表のとおりである。

第2-7-2表 電電公社提供のデータ伝送回線(専用線)

第2-7-3表 国際電電提供のデータ伝送回線(専用線)
 

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