平成15年版 情報通信白書

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第1章 特集「日本発の新IT社会を目指して」

(4)多様な文化が共存するインターネット空間の構築

インターネット上では英語コンテンツが7割を占める

 情報通信は、国際的な文化交流と相互理解を促進し、文化の発展に寄与する。しかし、情報流通が一方向に偏ると、逆に文化の画一化、文化の衰退を招くおそれもある。文化が発展するには、多様な文化が共存し、接触することが不可欠である。インターネット空間においても、多文化が共存する環境が必要であり、多言語環境の実現はそのための第一歩である。特に、我が国が属するアジア地域は、多様な文化と言語が存在しており、インターネット空間に多様な文化と言語を残す必要性は、他地域以上に高い。

1 インターネット上で利用されている言語の現状

 全世界のインターネット利用者に占める言語別人口は、グローバルリーチ社の調査によると、英語人口が36.5%である。次いで中国語が10.8%で、日本語は9.7%である(図表1))。これに対し、全世界のウェブ上のコンテンツに使用されている言語の割合は、英語が68.4%と言語別人口の2倍近くの比率を占めており、今後、コンテンツの多言語化が課題であることを示している(図表2))。

 
図表1) インターネット利用者の言語別人口の割合(2002年9月)

図表1) インターネット利用者の言語別人口の割合(2002年9月)
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図表2) ウェブ上のコンテンツに使用されている言語の割合(2002年9月)

図表2) ウェブ上のコンテンツに使用されている言語の割合(2002年9月)
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2 文字コードの統一

 文字や記号をコンピュータで扱うため、文字や記号一つひとつに固有の数字が割り当てられている。これが文字コードである。文字コードは、1960年代に米国で開発されたASCIIコードに始まる。しかし、ASCIIコードは、7ビットで定義され、128文字を扱うのが限界であった。このため、文字数が多い漢字等には独自に2バイト(16ビット)の文字コード体系を定め、使用されてきた。
 しかし、国際間における情報流通の円滑化のためには、一つの文字コードで世界中の言語を表現できることが望ましく、これまで国際標準化機構(ISO)等において改善の努力がなされてきた。我が国も、アジア地域の公式言語を国際規格化する取組を支援してきた。この結果、現在では、世界中の主な言語をサポートした統一文字コード体系(ユニコード)が国際規格として定められている。ただし、文字コードについての国際規格は存在するものの、それに準拠した製品が少ないこと、及び国際間の相互運用性に問題が残りやすい私的コードが流通していることが課題となっている。また、文字コードの標準化では、言語を利用する人々、社会の要望を反映させることが重要であるが、特に少数言語を使用する人々の主体性を十分に尊重していない例があるという指摘もされている。

関連サイト:グローバルリーチ社()

 

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