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第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか
第3節 ビッグデータの活用が促す成長の可能性

1 ビッグデータがもたらす新たな成長

(1)ビッグデータの概念

ビッグデータの特徴について説明すると、データの利用者やそれを支援する者それぞれにおける観点からその捉え方は異なっているが、共通する特徴を拾い上げると、多量性、多種性、リアルタイム性等が挙げられる。ビッグデータを活用することの意義1は、ICTの進展に伴い多種多量なデータの生成・収集・蓄積等がリアルタイムで行うことが可能となり、そのようなデータを分析することで未来の予測や異変の察知等を行い、利用者個々のニーズに即したサービスの提供、業務運営の効率化や新産業の創出等が可能となっている点にある。

ビッグデータと一口に言っても、それを構成するデータは出所が多様であるため様々な種類に及んでいる。その内訳を見ると、POS(Point of Sales:販売時点)データや企業内で管理する顧客データといった構造化データもビッグデータに含まれるが、最近、注目を集めているのは、構造化されていない多種・多量なデータ(非構造化データ)がICTの進展に伴い、急激に増加し、かつ、分析可能となっている点にある(図表1-3-1-1)。

図表1-3-1-1 構造化データと非構造化データの伸び(イメージ)
(出典)総務省「情報流通・蓄積量の計測手法の検討に係る調査研究」(平成25年)

非構造化データもさらに細かく分解すると、電話・ラジオ放送等の音声データ、テレビ放送等の映像データ、新聞・雑誌等の活字データといった、以前から生成・流通していたものの、ビッグデータ分析の対象とはなっていなかったデータもあれば、ブログやSNS等のソーシャルメディアに書き込まれる文字データ、インターネット上の映像配信サービスで流通している映像データ、電子書籍として配信される活字データ、GPSから送信されるデータ、ICカードやRFID等の各種センサーで検知され送信されるデータなど、最近急速に生成・流通が増加しているデータも存在している。ビッグデータの流通・蓄積・活用が経済に与える影響について分析する際は、構造化データだけでなくこれら非構造化データも含めた実態の把握が不可欠である。

以上のように、構造化データと非構造化データを合わせたものとして、ビッグデータ2の概念を整理した(図表1-3-1-2)。

図表1-3-1-2 ビッグデータの概念
(出典)総務省「情報流通・蓄積量の計測手法の検討に係る調査研究」(平成25年)


1 ビッグデータの意義については、平成24年版情報通信白書p.153も参照されたい。

2 これらのデータを蓄積・処理・分析するための技術(例:Hadoop)やそれらのデータを分析し、有用な意味や洞察を引き出せる人材や組織(例:データサイエンティスト)までも含め、ビッグデータを捉える考え方もあるが、本節で分析の対象としているのは、これらを含まない「狭義」のビッグデータである。

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