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第2部 情報通信の現況・政策の動向
第7節 研究開発の推進

(2)未来ICT基盤技術

総務省及びNICTでは、通信ネットワークの大容量化や安全性向上を目指し、新しい原理や機能を応用したICT基盤技術について、次のとおり研究開発を実施している。

ア 超高周波ICT技術に関する研究開発

総務省及びNICTでは、ミリ波、テラヘルツ波等の未開拓の超高周波帯を用いて、新しい超高速無線通信方式の基盤技術や、社会インフラの劣化診断等のためのセンシングシステムの研究開発を実施している。平成24年度については、超高周波基盤技術について、通信波長帯半導体レーザを用いた変調器ベースパルス光源のブロードバンド化と3THz(1THz=1兆ヘルツ)に及ぶ光周波数コムの発生に成功した。またパルス幅約100fs(1fs=1千兆分の1秒)かつ平均出力50mW以上のモードロック発振に成功した。センシング技術について、ミリ波帯高周波電磁波による非破壊センシングのコアとなるセンサー開発を開始した。

イ 量子ICT技術に関する研究開発

NICTでは、計算機では解読不可能な量子暗号技術や、微弱な光信号から情報を取り出す量子信号処理技術の研究開発を実施している。平成24年度については、量子暗号技術について、実装時に生じる種々の攻撃の危険度を解析し、危険度の高い攻撃に対して有効な解決策を開発してその効果を実証した。また、量子信号処理技術について、量子テレポーテーションにより利得3倍の信号増幅転送技術の開発に成功した。

ウ ナノICT技術に関する研究開発

NICTでは、ナノメートルサイズの微細構造技術と新規材料により、光子検出器や光変調・スイッチングデバイス等の性能を向上させる研究開発を実施している。平成24年度においては、有機ナノICT基盤技術について、有機光変調器の低消費電力化に資する有機電気光学ポリマーの組成最適化の技術を開発した。また、超伝導ICT基盤技術について、超伝導材料で構成される信号処理回路と単一光子検出器を4素子アレイ化する製造技術を世界で初めて開発した。

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