我が国の研究開発投資の大宗は、民間企業によってきたが、リーマンショック以降急減している(図表3-3-1-2)。例えば、NTTグループやNHKにおける研究開発費も2001年度と2010年度を比較すると大きく減少している(図表3-3-1-3)。また、民間企業は研究開発費を削減する中で、基礎研究よりも成果に結びつきやすい開発研究を重視する傾向にある(図表3-3-1-4)。
また、その民間企業による投資も、大企業を中心とした企業による自己投資が中心となっており、リスクマネーなど、ベンチャーや中小企業、大学を含む第三者への投資が少なく、例えば大学における研究費の約半分が国・地方公共団体からの資金となっている(図表3-3-1-5)。
国による研究開発投資自体も、補正予算を除くとほとんど変化がない状況にある(図表3-3-1-6)。ICT分野に限ってみると、総務省の科学技術関係予算(ICTの研究開発予算を含む)は減少傾向にある一方(図表3-3-1-7)、欧米では政府によるICT分野の研究開発支援を強化しており、予算額も増加傾向にある(図表3-3-1-8)。