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第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか
第1節 電子行政とオープンデータ

(1)電子行政の各サービスに対する利用動向及び認識

まず、電子政府・電子自治体の利用動向について、商品・サービスの購入・取引に対する利用動向と比較しつつ、日本、米国、英国、フランス、韓国、シンガポールの6か国で比較調査を行った国際ネットアンケート29結果に基づいてみると、日本は、商品・サービスの購入・取引の利用率については78.3%に達し6か国中最上位だが、電子政府・電子自治体の利用については16.2%と6か国中最も低く、5位の米国と比較しても半分以下にとどまっている。

世代別に比較すると、日本は、商品・サービスの購入・取引では30代から50代で6か国中最上位だが、電子政府・電子自治体ではどの世代でも他国と比較してかなり低い状況にある。ただし、日本は年代が高まるほど電子行政サービスを利用する傾向にあり、60代以上では2割を超えていることは注目される(図表2-1-3-1)。

図表2-1-3-1 インターネットの利用状況(商品・サービスの購入・取引と電子政府・電子自治体の利用の比較)
(出典)総務省「ICT基盤・サービスの高度化に伴う新たな課題に関する調査研究」(平成25年)
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このような電子政府・電子自治体の利用率の差は、何故生じているのだろうか。そこで、電子行政の対住民向けサービスとして、電子申請サービス、税申告・納税サービスにかかる住民の利用動向等について、平成24年版情報通信白書の調査結果(郵送調査)を振り返ってみると、いずれも認知状況については一定の比率に達しており、特に税申告・納税サービスについては7割を超えている。その一方で、利用状況はそれぞれ5.7%、11.2%といずれも低水準である。今後の利用意向についてはいずれも4割を超えており、また利用しているとの回答者のなかでの利用者の満足度は、「満足」、「やや満足」を加えるといずれも8割を超えている(図表2-1-3-2)。

図表2-1-3-2 電子申請サービス、税申告・納税サービスの認知・利用状況
(出典)総務省「ICT基盤・サービスの高度化に伴う利用者意識の変化等に関する調査研究」(平成24年)
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電子申請サービス、税申告・納税サービスに①期待する効果・メリットと②サービスを利用しない理由をみると、住民・地方自治体とも、電子申請、税申告・納税サービスの主な効果は「自由な時間に手続きができる」「時間が節約できる」との回答が他に比べて高く、次に「コストが節約できる」となっており、回答率も大きな相違はない。他方、サービスを利用しない理由については、自治体が「操作が難しい」ことを主たる理由として想定しているのに対し、住民側の回答では、「従来のやり方でも困らない」が最も高くなっており、認識のずれがある(図表2-1-3-3)。

図表2-1-3-3 期待する効果・メリットとサービスを利用しない理由
(出典)総務省「ICT基盤・サービスの高度化に伴う利用者意識の変化等に関する調査研究」(平成24年)
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このように、メリットについては、サービスの時間的側面を評価するものの、コスト節約への認識はそれほど高くないこと、サービスを利用しない理由については、住民側では現在のサービスに不満を感じていないことが主要因であり、それを提供主体側が必ずしも十分に認識できていないことが指摘できよう。



29 調査概要は第3章第1節第2項(パーソナルデータの取扱いに関する利用者意識の国際比較)を参照のこと。

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