第1部 特集 ICTの利活用による持続的な成長の実現
第1章 ICTによる地域の活性化と絆の再生

(3)ソーシャルメディアによる絆の再生


ア ソーシャルメディアを使う前の日常生活における絆の意識

●近年薄れた絆として「地域住民間の絆」が最も多く、次いで「世代間の絆」「友人・知人の絆」「家族の絆」

 「家族・親戚の絆」「友人・知人の絆」「地域住民間の絆」「世代間の絆」「職場の絆」の5つについて、近年絆が薄れてきていると感じるかどうかについて調査したところ、「絆が薄れている(「非常にあてはまる」と「あてはまる」の合計)」と回答した割合を示したのが図表1-2-2-10である。この結果によると、「地域住民間の絆」が近年薄れていると回答した割合が55.4%と最も高く、次いで「世代間の絆(49.3%)」「友人・知人の絆(35.9%)」の順となっている。

図表1-2-2-10 ソーシャルメディアを使う前の日常生活における絆の意識(世代別)
図表1-2-2-10 ソーシャルメディアを使う前の日常生活における絆の意識(世代別)
絆が薄れたと感じる傾向は若年層よりも中年層・高齢層の方が高い
(出典)総務省「ソーシャルメディアの利用実態に関する調査研究」(平成22年)

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 世代別にみてみると、絆が薄れたと感じる傾向は若年層よりも中年層・高齢層の方が高く、「家族・親戚の絆」「地域住民間の絆」「世代間の絆」「職場の絆」では、中年層の「絆が薄れている」という回答が最も多い。「地域住民間の絆」「世代間の絆」では、中年層の55%以上が「薄れている」と回答している。「友人・知人の絆」は、高齢層の「薄れている」という回答が最も多く38.1%となった。

イ ソーシャルメディアによる地縁・血縁・職縁などの絆への影響

●「友人・知人の絆」への影響が最も大きく、「家族・親戚の絆」「世代間の絆」「職場の絆」にも影響

 「近年絆が薄れてきている」と回答した人がソーシャルメディアを利用して「絆が深まった(「非常にあてはまる」と「あてはまる」の合計)」と回答した割合の結果を示したのが図表1-2-2-11である。ブログを利用して「友人・知人の絆」が深まったと回答した割合は30.2%、「家族の絆」は20.2%、「世代間の絆」は15.8%、「職場の絆」が11.0%となった。

図表1-2-2-11 ソーシャルメディアによる地縁・血縁・職縁などの絆への影響
図表1-2-2-11 ソーシャルメディアによる地縁・血縁・職縁などの絆への影響
「友人・知人の絆」「家族・親戚の絆」「世代間の絆」「職場の絆」が深まる傾向
(出典)総務省「ソーシャルメディアの利用実態に関する調査研究」(平成22年)

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 SNSでは「友人・知人の絆」が深まったと回答した割合は39.7%と全メディアの中で最も高く、その他「家族・親戚の絆」が19.8%、「世代間の絆」が16.5%、「職場の絆」が12.4%となっている。
 動画共有サイトと情報共有サイトは、「家族・親戚の絆」と「友人・知人の絆」が深まったと回答した割合が高く、15%〜18%となっている。
 マイクロブログでは、「友人・知人の絆」が22.9%にのぼる他、「家族・親戚の絆」は18.5%、「職場の絆」が15.6%となっており、掲示板は「友人・知人の絆」が16.8%となっている。
 ソーシャルメディアを利用して深まった絆としては、「友人・知人の絆」への影響が最も大きく、「家族・親戚の絆」「世代間の絆」「職場の絆」などにも影響がある結果となっている。

●「家族・親戚の絆」「地域住民間の絆」「世代間の絆」は世代が高くなるほど絆を深める効果が高い

 また、世代が上がるにつれて薄れてきているという回答の多い「家族・親戚の絆」「地域住民間の絆」「世代間の絆」について、絆への影響が高かったブログとSNSを世代別にみてみると、世代が高くなるほど絆を深めたという効用が高い傾向があることがわかる(図表1-2-2-12)。

図表1-2-2-12 ソーシャルメディアによる地縁・血縁・職縁などの絆への影響(ブログ・SNS、世代別)
図表1-2-2-12 ソーシャルメディアによる地縁・血縁・職縁などの絆への影響(ブログ・SNS、世代別)
「家族・親戚の絆」「地域住民間の絆」「世代間の絆」は世代が高くなるほど絆を深めたという効用が高い傾向
(出典)総務省「ソーシャルメディアの利用実態に関する調査研究」(平成22年)
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