第2部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

2 新たな成長戦略ビジョン(原口ビジョン)の推進


(1)ICT維新ビジョンの公表


 平成21年12月22日、原口総務大臣は、地域主権型社会への転換を目指す「『緑の分権改革』推進プラン」と、ICTの利活用による持続的経済成長の実現を目指す「ICT維新ビジョン」の二つを、原口ビジョンとして発表した3。このうち「ICT維新ビジョン」においては、[1]地域の絆の再生、[2]暮らしを守る雇用の創出、[3]世界をリードする環境負荷軽減を、2050年を見据えた達成目標としている。具体的にはICTの徹底利活用により、すべての世帯(100%)でブロードバンドサービスを利用すること等を目指し、フューチャースクールによる協働型教育改革、電子行政による行政刷新等を推進することとしている。
 さらに、平成22年5月、ICT維新ビジョンを具体化した「ICT維新ビジョン2.0」を発表した4図表5-1-2-1)。同ビジョンの中では、
 [1] 知識情報社会を支える基盤の構築
   2015年頃を目途に「光の道」100%(全世帯がブロードバンドサービスを利用)を実現
 [2] 日本の総合力の発揮
   「日本×ICT」戦略により、今後10年間(2011〜20年)の年平均潜在成長率約2.6%を実現
 [3] 地球的課題の解決に向けた国際貢献
   ICTパワーにより、2020年にCO2排出量の10%(90年比)以上の削減を実現
することを目標としている。

図表5-1-2-1 ICT維新ビジョン2.0〜ヒューマン・バリューへの投資〜
図表5-1-2-1 ICT維新ビジョン2.0〜ヒューマン・バリューへの投資〜


3 参考:ICT維新ビジョン:http://www.soumu.go.jp/main_content/000048728.pdf
4 参考:ICT維新ビジョン2.0:http://www.soumu.go.jp/main_content/000064361.pdf
テキスト形式のファイルはこちら