第1部 特集 ICTの利活用による持続的な成長の実現
第1章 ICTによる地域の活性化と絆の再生

3 地域SNSによる地域の活性化


 ソーシャルメディアの1類型である地域SNS17は、特定地域を対象とした顔の見える実際の地域社会と融合した利用を目的とし、地域活性化のツールとして直接的に機能することが期待されている。平成22年2月現在で519の地域SNSが存在し、年々拡大傾向にあるが(図表1-2-3-1)、地域住民が積極的に参加し、地域社会に何らかの活性化効果をもたらしている地域SNSはそれほど多くはないと言われている。そこで、活発に活動している地域SNSの特徴と利用者の効用について検証するため、総務省と国際大学GLOCOMは共同研究を行った。具体的には、地域SNSの運営者と利用者に対するウェブアンケート調査を実施18し、得られた回答結果に基づき地域SNSの運営目的や利用者の効用、地域SNSの活性化要素の抽出などを行っており、以下その分析結果を紹介する。

図表1-2-3-1 地域SNSの増加とその経緯
図表1-2-3-1 地域SNSの増加とその経緯
平成22年2月現在で519の地域SNSが存在し、年々拡大傾向
(出典)総務省・国際大学GLOCOM「地域SNSに関する調査研究」(平成22年)

Excel形式のファイルはこちら

17 通常のSNS(ミクシィ、GREE等)との違いは、通常のSNSが全国を対象としてサービスを提供しているのに対し、地域SNSは特定地域を対象としている点が異なる
18 運営者アンケートの回答結果は45件であり、国内にある地域SNSの約1割弱という回答率であるが、活動が活発な地域SNSを概ね網羅している。また運営者アンケートに回答していただいた運営者の協力により利用者アンケート調査の回答結果は748件であった
テキスト形式のファイルはこちら