第2部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向

4 国際競争力の強化と国際展開の支援


 情報通信産業は、名目国内生産額の約1割を占める最大規模の産業であるとともに、我が国の実質GDP成長に対する寄与率が極めて高く、今後の経済成長を支える戦略的産業と位置付けることができる。ICTによる持続的な経済成長を実現するためには、情報通信産業の国際競争力を強化し、中国やインド等の新興国市場をはじめとするグローバル市場の成長を取り込むことが重要である。しかし、ネットワーク関連機器等のグローバル市場における我が国のシェアは必ずしも高いとはいえず、海外への積極的な事業展開、国際標準化活動の推進、人材育成等、国際競争力強化のために解決すべき課題が山積している。
 総務省では、「ICT政策の在り方に関するタスクフォース・国際競争力強化検討部会」において、コンテンツ事業者、メーカー等を含む幅広いICT関連企業によるオールジャパン体制でのグローバル展開を促進する方策について検討を行い、平成22年5月に中間取りまとめを行った。中間取りまとめでは、早急に実施すべき具体策として、「重点推進プロジェクト」、「連携推進体制」、「技術戦略」について各種施策を実施すべきとしている(図表5-1-4-1)。

図表5-1-4-1 グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース 国際競争力強化検討部会 中間取りまとめの全体像
図表5-1-4-1 グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース 国際競争力強化検討部会 中間取りまとめの全体像
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