第1部 特集 ICTの利活用による持続的な成長の実現
第1章 ICTによる地域の活性化と絆の再生
(1)テレワークの現状
●テレワークはある程度普及しつつあるものの、まだ一般的にはなっていない
テレワークとは「情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」2をいい、時間的な要素も含め従来と比べて自由な働き方を実現する勤務形態である。
テレワークの普及状況をみると、企業におけるテレワークの導入率は平成21年末で19.0%となっており、前年から3.3ポイント上昇している(図表1-3-1-1)。
図表1-3-1-1 テレワークの導入状況の推移

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産業別にみると、特に製造業(27.6%)、サービス業・その他(21.2%)で導入率が高い一方、運輸業(5.2%)、金融・保険業(11.8%)、卸売・小売業(12.2%)、建設業(14.0%)の導入率は低い(図表1-3-1-2 左図)。また、従業員規模別にみると、総じて規模の大きい企業で導入率が高い傾向が認められ、500人以上の企業の導入率は20%を超え、3,000人以上の企業の導入率は5割前後となっている(図表1-3-1-2 右図)。他方、従業員規模の小さい500人未満の企業におけるテレワークの導入率は10%未満となっている。
図表1-3-1-2 産業別・従業員規模別のテレワーク導入率(平成21年末)
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また、就業者側からみた調査では、2009年度のテレワーカー率は全体で15.3%と前回調査(15.2%)に比べて同程度となっている(図表1-3-1-3)。このように、企業の側・就業者の側、いずれの側から見ても、テレワークはある程度普及しつつあるものの、まだ全体としては一般的にはなっていない働き方といえる。
図表1-3-1-3 我が国のテレワーカー率
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2 社団法人日本テレワーク協会の定義による
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