付注

付注2 国民目線に立ったICTサービスによる国民の便益の推計方法


1. 医療・健康
(1)健康状態に合わせた最適健康管理サービス
ア 利用者の便益
(ア)推計対象とする利用者の便益
 本サービスが生活習慣病の予防に効果を発揮すると仮定する。この予防者における生活習慣病の治療にかかわる一般診察医療費の削減額(国民負担分を一律3割として抽出)を利用者の便益とする。

(イ)利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、生活習慣病の治療にかかわる一般診察医療費の削減額を算出した。
(イ)利用者便益の経済価値への換算方法

イ 提供者の便益
(ア)推計対象とする提供者の便益
 利用者と同様に、本サービスが生活習慣病の予防に効果を発揮すると仮定する。この予防者における生活習慣病の治療にかかわる一般診察医療費の削減額(行政負担分を一律7割として抽出)を提供者の便益とする。

(イ)便益の経済価値への変換方法(提供者の視点)
 主に次の変数を用いて、生活習慣病の治療にかかわる一般診察医療費の削減額を算出した。
(イ)便益の経済価値への変換方法(提供者の視点)

(2)病状に合わせた最適医療サービス
ア 利用者の便益
(ア)推計対象とする利用者の便益
 本サービスによって自身の病状に合った最適な診察を受けられるようになり、従来、自身に合わない/病状と診察が適していない、などの理由で生じていた重複診察が削減されると仮定する。この重複診察の削減にかかわる外来診察医療費の削減額(国民負担分を一律3割として抽出)、及び重複診察の削減にかかわる生産活動の増加(削減された時間が生産活動に充てられるとして算出)を利用者の便益とする。

(イ)利用者便益の経済価値への換算方法
A 医療費削減額
 主に次の変数を用いて、重複診察の削減にかかわる外来診察医療費の削減額を算出した。
A 医療費削減額

B 重複診察の削減にかかわる生産活動増加
 主に次の変数を用いて、重複診察の削減にかかわる生産活動の増加を算出した。
B 重複診察の削減にかかわる生産活動増加

イ 提供者の便益
(ア)推計対象とする提供者の便益
 利用者と同様に、本サービスによって重複診察が削減されると仮定する。この重複診察の削減にかかわる外来診察医療費の削減額(国民負担分を一律7割として抽出)を提供者の便益とする。

(イ)提供者便益の経済価値への変換方法
 主に次の変数を用いて、重複診察の削減にかかわる外来診察医療費の削減額を算出した。
(イ)提供者便益の経済価値への変換方法

(3)診察の事前予約サービス
ア 推計対象とする利用者の便益
 本サービスが診察にかかわる待合時間の削減に効果を発揮すると仮定する。この削減された時間が生産活動に充てられるとして、利用者の便益とする。

イ 利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、診察待合時間の削減にかかわる生産活動の増加を算出した。
イ 利用者便益の経済価値への換算方法

2. 教育・就労
(1)個に応じた学びと教え合い、学び合う教育サービス
ア 推計対象とする利用者の便益
 本サービスによって義務教育課程(小・中学校)の教師の校務負荷(授業準備、成績処理、外部対応)が軽減されると仮定する。この軽減された時間が生産活動に充てられるとして、利用者の便益とする。

イ 利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、校務負荷の軽減にかかわる生産活動の増加を算出した。
イ 利用者便益の経済価値への換算方法

(2)オンライン教育ポータルサービス
ア 推計対象とする利用者の便益
 本サービスによって大学・大学院の講義を受講しやすくなり、単位の取得、学位の取得が進むと仮定(最終学歴が向上すると仮定)する。また、最終学歴と給与との関係から、最終学歴が向上することで、有業者における給与総額が向上すると仮定する。この給与総額の差分(増分)を利用者の便益とする。
 なお、給与の向上には、最終学歴の他に、これまでの職歴(技術・技能、勤務年数など)も影響すると考えられる。このため、本推計では、職歴の影響をあまり受けないと想定される若年層(15〜24歳)を対象者とした。さらに、給与の向上を仮定することから、若年層のうち有業者を抽出した。

イ 利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、最終学歴の向上にかかわる給与総額の増分を算出した。
イ 利用者便益の経済価値への換算方法

(3)教育・資格に基づいた就業支援サービス
ア 利用者の便益
(ア)推計対象とする利用者の便益
 本サービスによって自身の学習歴や取得資格、職務経歴などに合った最適な就業支援を受けられるようになり、従来、自身の志向と合わない/就業に必要な求人要件の習得が難しい、などの理由で生じていた完全失業者が減少すると仮定する。この完全失業者の減少にかかわる労働力の増加を利用者の便益とする。
 また、本サービスによって就業に必要な情報をサービス上で企業などに開示・提出できるため、従来、就業のために発生していた費用の一部(交通費、郵便通信費など)が軽減されると仮定する。この費用の軽減額も利用者の便益とする。

(イ)利用者便益の経済価値への換算方法
A 完全失業者の減少にかかわる労働力の増加
 主に次の変数を用いて、完全失業者の減少にかかわる労働力の増加を算出した。
A 完全失業者の減少にかかわる労働力の増加

B 就業に係わる費用の軽減
 主に次の変数を用いて、就業にかかわる費用の軽減額を算出した。
B 就業に係わる費用の軽減

イ 提供者の便益
(ア)推計対象とする提供者の便益
 本サービスによって完全失業者が減少し、これに伴い失業手当の給付額も減少すると仮定する。この失業手当の給付額の減少分を提供者の便益とする。

(イ)提供者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、失業手当の給付額の減少分を算出した。
(イ)提供者便益の経済価値への換算方法

3. 生活・暮らし
(1)引越手続のワンストップサービス
ア 利用者の便益
(ア)推計対象とする利用者の便益
 本サービスが引越にかかわる諸手続(届出、連絡など)の時間(利用者の負担となる時間)の削減に効果を発揮すると仮定する。この削減された時間が生産活動に充てられるとして、利用者の便益とする。

(イ)利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、引越手続時間の削減にかかわる生産活動の増加を算出した。
(イ)利用者便益の経済価値への換算方法

イ 提供者の便益
(ア)推計対象とする提供者の便益
 本サービスが、利用者からの届出、連絡を受ける行政職員・企業職員の処理時間(提供者の負担となる時間)の削減に効果を発揮すると仮定する。この削減された時間が生産活動に充てられるとして、提供者の便益とする。

(イ)提供者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、手続処理時間の削減にかかわる生産活動の増加を算出した。
(イ)提供者便益の経済価値への換算方法

(2)税申告の作成等支援サービス
ア 利用者の便益
(ア)推計対象とする利用者の便益
 本サービスが確定申告にかかわる作成、提出時間(提出者の負担となる時間)の削減に効果を発揮すると仮定する。この削減された時間が生産活動に充てられるとして、利用者の便益とする。

(イ)利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、確定申告時間の削減にかかわる生産活動の増加を算出した。
(イ)利用者便益の経済価値への換算方法

イ 提供者の便益
(ア)推計対象とする提供者の便益
 本サービスが確定申告にかかわる受理、登録時間(受理者の負担となる時間)の削減に効果を発揮すると仮定する。この削減された時間が生産活動に充てられるとして、提供者の便益とする。

(イ)提供者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、確定申告時間の削減にかかわる生産活動の増加を算出した。
(イ)提供者便益の経済価値への換算方法

(3)粗大ゴミ・不用品のリサイクルサービス
ア 利用者の便益
(ア)推計対象とする利用者の便益
 本サービスによって不用品の消費者間取引が行われ、従来、粗大ゴミとして扱われていたものが有効活用される(リサイクルによって粗大ゴミの量が減少する)と仮定する。この減少した粗大ゴミにかかわる負担費用(粗大ゴミ処理にかかわる利用者の負担手数料)の減少額を、利用者の便益とする。

(イ)利用者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、粗大ゴミの減少にかかわる利用者の負担費用の減少額を算出した。
(イ)利用者便益の経済価値への換算方法

イ 提供者の便益
(ア)推計対象とする提供者の便益
 利用者と同様に、本サービスによって、従来、粗大ゴミとして扱われていたものが有効活用される(リサイクルによって粗大ゴミの量が減少する)と仮定する。この減少した粗大ゴミにかかわる負担費用(粗大ゴミ処理にかかわる地方公共団体の収集費用、処理費用)の減少額を、提供者の便益とする。

(イ)提供者便益の経済価値への換算方法
 主に次の変数を用いて、粗大ゴミの減少にかかわる提供者の負担費用の減少額を算出した。
(イ)提供者便益の経済価値への換算方法