第1部 特集 ICTの利活用による持続的な成長の実現
第1章 ICTによる地域の活性化と絆の再生

(4)ソーシャルメディアのコミュニケーション効用による分析


●ブログとマイクロブログはオンラインコミュニケーションの促進とオフラインコミュニケーションの補完の双方の役割が強く、SNSは特にオフラインコミュニケーション補完の役割が強い

 以上、ソーシャルメディアの利用状況や利用者にもたらす効用について分析してきたが、各ソーシャルメディアをオンラインコミュニケーションを中心とした「オンラインコミュニケーションの促進」と「オフラインのコミュニケーションにおける補完」といった絆の構築に関わる質的な側面から主成分分析14により類型化15を行ったのが、図表1-2-2-13である。

図表1-2-2-13 ソーシャルメディアのコミュニケーション効用による分析
図表1-2-2-13 ソーシャルメディアのコミュニケーション効用による分析
ブログとマイクロブログは「オンラインコミュニケーション」促進と「オフラインコミュニケーション」補完の双方の役割が強く、SNSは特にオフラインのコミュニケーションを補完する役割が強い
(出典)総務省「ソーシャルメディアの利用実態に関する調査研究」(平成22年)

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 この類型では、横軸が「オンラインコミュニケーション」得点、縦軸が「オフラインコミュニケーション」得点を表している。それぞれ、原点から離れるほど(値が小さくなるほど)、オンラインコミュニケーションの促進、オフラインコミュニケーションの補完といった役割の実現度が高いことが示されている。なお、球の大きさは利用量を表しており、大きいものほど利用量が多いことを示している。
 ブログは、オンラインコミュニケーションを促進させる役割がマイクロブログに次いで高く、オフラインのコミュニケーションを補完する役割についてもSNSに次いで高く、オンラインとオフラインの双方のコミュニケーションへ寄与していることがわかる。SNSは、オフラインのコミュニケーションを補完する役割がすべてのメディアの中で最も高いが、オンラインコミュニケーションを促進させる役割はすべてのメディアの中で最も低い。マイクロブログはオンラインコミュニケーション促進の役割がすべてのソーシャルメディアの中で最も高いが、オフラインコミュニケーションを補完する役割はブログやSNSよりも低い。掲示板と情報共有サイトは、オフラインコミュニケーションを補完する役割は同程度であるが、掲示板の方がオンラインコミュニケーションを促進させる傾向が強い。動画共有サイトは、オフラインのコミュニケーションを補完する役割が最も低く、オンラインコミュニケーションを促進する役割も低めの結果となった。利用量については、マイクロブログ、SNS、ブログ、動画共有サイト、掲示板、情報共有サイトの順で多い。


14 主成分分析とは、複数個の変数を合成して、1個、又は少数個の総合指標を求める方法である
15 類型化の方法は、付注6参照
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