昭和58年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く 目次の階層をすべて閉じる

6 パーソナル無線

 電波技術の発展とともに無線機器の小型・軽量化,省電力化が進み,一方ではモータリゼーション社会の進展とあいまって,だれでもが簡単に自動車に搭載又は携帯して容易に使用できる無線機の需要が増大しており,この需要に対応するため,モータリゼーション社会に適応した機動性,即時性のある簡易な連絡用無線として「パーソナル無線」を開発し,57年12月から制度化した。
 このパーソナル無線は,自動車公衆無線電話方式及びMCA陸上移動通信方式で開発されてきた新しい電波利用技術を採り入れた900MHz帯の周波数の電波を使用するマルチ・チャンネル・アクセス方式の無線電話である。使用チャンネル数は,制御用1チャンネル及び通話用79チャンネルとなっており,空中線電力は5ワット以下,また,変調方式はFMである。無線機にはマイクロプロセッサを内蔵し,一定の動作手順に従う発着信及び通話接続の制御並びに空きチャンネルのランダム検出等の複雑な操作を全て自動的に行うほか,5けたの数字から成る群コードによる選択呼出し及び電波発射に際して一定のタイミングで行う呼出名称の自動送信等の特徴的機能を有している。
 このような高度かつ新しい技術によるパーソナル無線は,簡易無線業務用として小型で取扱いが簡便であるほか,通信品質が良好であり,さらに周波数の有効利用及び電波の利用秩序の確保の面からも優れた特長を有してぃるため,これまでにない新しいパーソナル・メディアとして極めて大きな社会的要請に十分適合するシステムである。既に,58年9月末現在の免許局数は,およそ25万局に達し,今後も大幅に増加する傾向にある。

 

 

5 50GHz帯の周波数の電波を使用する簡易無線局 に戻る 7 マイクロ波着陸装置(MLS) に進む