昭和58年版 通信白書

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3 データ宅内装置

 データ通信システムの多様化・高度化に伴い,データ宅内装置は,単なる遠隔入出力手段としての位置付けから,システムを効率的に実現するための機能を付与した高度な役割を持つものへと発展しつつある。技術的には,LSIの大幅な採用及びマイクロプロセッサによるプログラム制御方式の導入が進むとともに,文字認識装置,図形入出力装置,音声入出力装置等の開発が積極的に進められている。
 端末の制御回路技術については,LSI技術の進歩によりマイクロプロセッサとメモリとを組み合わせたプログラム制御方式が従来の布線論理方式に代わって採用され,小型軽量化,低価格化に大きく寄与している。さらに,多様化・高度化するユーザの要望に対処するため,メモリに書換え可能なRAM(Random Access Memory)を採用することにより,プログラムを書き換えるだけで種々の業務に適用できる汎用のプログラマブル端末が広く利用されている。また,ファイル装置を有し,システム機能の担当部分を分担する高度な端末も実用化されている。
 基本的な出力機器であるプリンタとしては,インパクト式プリンタでは母形活字方式にかわって,ワイヤドットマトリックス方式が主流となりつつあり,また,サーマル方式,インクジェット方式,電子写真式などのノンインパクト式プリンタの普及も進みつつある。表示装置としては,表示容量,精細度,価格等の点で優れているCRTが大半を占めているが,プラズマディスプレイパネル,発光ダイオード,液晶などを利用した平板形ディスプレイの研究開発も積極的に進められている。漢字の入力方式としては,タブレット式,漢字ドットコード式,バーコード読取式等に加えて,カナ漢字変換入力方式が,出力方式としては,ワイヤドットプリンタ方式に加え,電子写真式等の高性能プリンタが普及しつつある。
 文字認識装置では,印刷及び手書きの英数字,カナ文字を読み取る光学式文字読取装置が既に実用化されており,さらに,高性能化,低価格化が進められている。また,印刷漢字や手書き漢字の読取装置についても実用化に向けて研究が進められている。
 図形入出力方式としては,カラー図形の出力が可能なカラーグラフィックディスプレイや直線,円などのような線図形の入力が可能な図形入力装置等が実用化され,ビジネスグラフィックスやCAD/CAMの分野で利用されはじめている。また,利用の大衆化を図るために利用者にとって簡便な音声による入出力の実用化が進みつつある。

 

 

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