昭和48年版 通信白書

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2 郵便番号制

(1) 郵便番号制の目的
 43年7月から郵便番号制がスタートした。郵便番号は,全国約6,000の集配郵便局の配達受持区域のひとつひとつに付定された番号であって,郵便物の運送経路に従って体系化されている。
 郵便番号制を実施する目的は,郵便番号自動読取区分機を導入できること,誰にでも簡単に区分ができること,最初から配達局あての区分が容易になることなどで,作業の効率化及び送達速度の安定と向上を図ることにある。
 この郵便番号制は,そのシステムや考え方に違いはあるが,既にオーストラリア,オーストリア,ベルギー,カナダ,デンマーク,フィンランド,フランス,西独,東独,イタリア,韓国,ノールウエー,フィリピン,スウェーデン,スイス,ソ連,英国,米国,ルーマニア,ユーゴスラビアなど多くの国で実施されている。
(2) 郵便番号記載状況郵便番号は,郵便物に実際に記載されていなければ何の役にもたたない。この郵便番号制の成否は,利用者の番号記載協力いかんにかかっているので,郵政省は,郵便番号簿を全国の各世帯や事業所に配布して,利用者の協力が得られるよう強力なPR活動を展開してきた。
 これにより利用者の協力を得て郵便番号の記載率は年々上昇を示し,実施後約5年を経過した48年3月現在で記載率は94.7%に達している。
 なお,48年には,新しく沖縄県も含めた郵便番号簿を配布した。
(3) 郵便番号による区分
 郵便番号による郵便物の区分は,43年10月から一部試行されたが,現在ではすべての郵便物があて名による区分から郵便番号による区分に切り替えられている。
 これにより,郵便物の区分作業は,自動読取区分機が配備されている局も増えてきたので従来よりも容易に,かつスピーディにできるようになった。特に年末のように一時に大量の郵便物が差し出されるときなどは,自動読取区分機はフル回転をしており,また,臨時職員による作業の効率化にも郵便番号はその威力を十二分に発揮している。

 

 

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