平成19年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開

2 情報化投資と経済成長

 我が国においては、高度経済成長期を通じて、労働力人口が増加し、若年労働者が豊富に供給されてきた。しかしながら、少子高齢化時代、更には人口減少時代を迎える中で、今後は、労働投入量の増加を期待することはできない。そのため、日本が将来にわたり経済成長を実現していくためには、単位労働当たりの生産量の増加、すなわち労働生産性の向上を図ることが重要となる。
 労働生産性は、大きく分けて二つの要因により決まる。一つは資本要因であり、もう一つは生産要素の投入量によらない要因である。前者は、資本ストックの深化、つまり、単位労働当たりの資本装備率の上昇がもたらされることにより経済成長に寄与する。後者は、技術革新、企業組織の改革、業務プロセスの改革等の様々なイノベーションの実現や、情報通信ネットワークを活用する能力の向上等を通じた人的資本力の向上等により、全要素生産性(TFP)が上昇し、経済成長にプラスの効果を与える。
 先に示したように、長期的な視点から見ると、ユビキタスネットワークの進展による経済成長ポテンシャルは高い。今後、それを実現していくためには、企業等の積極的な情報化投資を通じて情報通信資本の蓄積を加速するとともに、モバイル化の進展や世界最先端のブロードバンドの整備、次世代ネットワーク構築への取組等、我が国で進展する高度で利便性の高いネットワークインフラを利用して、あらゆる領域で情報通信資本のネットワーク化を図り、それにより生じる効果を有効に活用して様々なイノベーションを実現することにより、労働生産性の向上を図ることが重要である。

 第1節 情報通信と経済成長

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