平成19年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開

コラム ベトナムにおけるBPOの受託例(日産テクノベトナム)

 日産テクノベトナムは、日産自動車の100%出資子会社である日産テクノの100%出資子会社であり、自動車関連部品のCADデザイン(自動車CADデータの作成)、CAD解析及び設計を主な事業内容としている。日産テクノベトナムが行っている業務は、すべて本社から発注されたアウトソーシング業務であり、労働集約的な作業が多く含まれていることから、BPOの実施が比較的容易な業務であるといえる。
 同社は、先進技術の開発を行う日産自動車、新製品開発を行う日産テクノと連携し、新製品開発を支える部品設計、CAD解析等を行うという位置付けにあり、系列企業として国際分業体制に組み込まれている。
 また、同社が受託する業務に関する情報のやりとりは、情報通信ネットワークによりデジタル情報として受け、社内で設計図面、設計検討書、部品データ、解析モデルデータ等、様々な設計技術データを作成した後、再びデジタル情報として送られる。
 利用する情報通信ネットワークとしては、6MbpsのIP-VPN、ADSL回線(テレビ会議等に利用)、電話回線(電子メール等に利用)の3種類がある。このうちIP-VPNについては、2005年まで利用していた1Mbpsのフレームリレー方式の通信回線から切り替えたものであり、これによって大規模な業務受託が可能になった。また、完全にクローズドなネットワークシステムを構築することが可能なため、秘密性の高い業務等、受託できる業務の範囲が格段に拡大した。
 このようなネットワーク環境の向上は、同社が力を入れている人材教育等による受託能力の向上とあいまって、BPOの遂行にプラスの影響を与えていると考えられる。

 第2節 情報通信と競争力

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